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片岡尚之は日本タイトル2冠ならず 試行錯誤を重ねて今季初の優勝争いで得た自信「戦えるゴルフができている」

2026/06/08 10:13

メジャー2勝目の目前まで迫った片岡尚之だったが、あと一歩、及ばなかった(撮影:鈴木祥)

<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日◇7日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇決勝=7464ヤード・パー71>昨年の「日本オープン」覇者・片岡尚之が、自身初の首位で最終日を迎えた。惜しくも優勝には届かなかったが、確かな手ごたえをつかんだ4日間となった。 【写真】これかっこいい 副賞はBMWの高級SUV 2位の出利葉太一郎に1打リードで迎えた今季初の優勝争い。大勢のギャラリーが見守る中、スタートホールのティショットは「フォア!」の声とともに左隣の18番ラフへ。それでも林越えのセカンドでグリーンを捉え、大歓声を浴びた。20メートルのバーディパットを30センチに寄せ、しっかりとパーセーブした。しかし2番パー5では、段をまたぐ約15メートルから3パットのボギー。それでも3番は約20メートルを寄せてパー、5番で約3メートルを沈めて初バーディを奪い、6番でもスコアを伸ばした。8番で痛恨のダブルボギーを喫したが、出利葉も9番でダブルボギー。同組の岩田寛も前半でスコアを落としていたこともあり、首位をキープしたまま後半へと入った。一時は岩田と5?6打差をつけていたが、「(岩田)寛さんは僕の中で、スタートする前からずっと争う相手になる確信があった。最初は(スコアを)打っていたんですけど、多分どこかで来るなと思ったていたら、スイッチが入って」と岩田が後半に4バーディを奪って猛追。優勝争いは一気に緊迫した。最終18番では「(フェアウェイが)広いというのもあったし、『ここはもう振り切ろう』と思って振ったら、めっちゃ曲がりました(笑)」と右隣の1番ホールへ打ち込むも、粘りのパーセーブ。3バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「72」で回り、トータル8アンダーで岩田、コー・タイチ(香港)と並び、勝負はプレーオフへ。決着は1ホール目でついた。片岡は4メートルの下りスライスラインを「左フチぐらいで読んでいたんですけど、もったいないスライスして」とボールはカップの右を通過し、うなだれるように視線を落とした。バーディを奪った岩田が大会2勝目を挙げ、日本タイトル2冠には惜しくも届かなかった。「17、18番もすごくいいパーセーブができた。プレーオフまで持ち込めたのはすごく自信になった部分ではあるんですけど、最後(プレーオフで)バーディを取れなかったのは悔しいです」と唇をかんだ。それでも、パットに課題を抱えるなかで「最後に狙ったところ打てたので、良かったです」と前を向いた。 今季はドライバーの飛距離、グリップ、パッティングと試行錯誤を重ねている。昨年の「日本オープン」優勝の資格で今年4月の海外メジャー「マスターズ」に出場した際、予選ラウンドの2日間に米ツアー6勝のマックス・ホーマ(米国)と同組でラウンド。「飛距離が足りない」ことを痛感し、「ここから毎年、飛距離を伸ばしていけるように頑張りたい」と意識を変えた。テーマは“振り切る”ことだ。今季のドライビングディスタンスは305.10ヤードで11位。今大会では初日の9番で333.54ヤードを記録するなど、4日間平均314.61ヤード(7位)を記録し、着実に手応えをつかみつつある。さらに「なるべく脱力して打ちたい」理由から3年ぶりにインターロッキング(右手小指と左手人さし指を絡める)からオーバーラッピング(右手小指を左手人さし指の上に乗せる)へスイッチ。2日目終了時点ではショットの手ごたえも得ていた。また、パットの名手と言われる片岡だが、「インパクトで腕がちゃんと動いてくれない」という課題を抱え、長く愛用していたオデッセイ『ホワイトホット 2ボールブレード』からブレード型の中尺パターに変更。勝利に向けて試行錯誤している。そのなかで、この4日間の優勝争いは大きな収穫となった。「まだまだ足りない部分がたくさんあることを感じたのと、少しずつ状態も上がってきて、戦えるゴルフができているのかなというのはある。この難しい宍戸でプレーオフまで持ち込めたのはすごく自信になります」と清々しい表情を見せた。次戦は7月2日開幕の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」。その後には海外メジャーの「全英オープン」も控える。次戦までは約3週間のオフとなるが、「ちょっと悔しいので、リフレッシュできるのにちょうどいいかなって。JPCもありますし、全英もある。そこに向けてしっかり調整したいなと思っています」。この経験を糧に、今季初優勝を目指して再び前を向く。(文・高木彩音)