「トゥーロンゴルフ」の新作PRで来日した、ショーン・トゥーロン氏(撮影:山代厚男)
ショーン・トゥーロン氏は、テーラーメイドやキャロウェイの開発部門の上級副社長を歴任して特許多数を取得、現在は「トゥーロンゴルフ」で総指揮を執りながらデザインチームを率いている。今回、2026年モデルを引っ提げ来日し、新作のPRを兼ねたインタビューに応じて「パターフィッティングの重要性」をテーマに話したいと言う。
【画像】世界一美しい!? 巨匠ショーン・トゥーロンの最新作
まずは、マレットの新形状『モナコ』やブレードの『ボストン』を追加した全11機種の2026年モデルについて、世界のツアーで70勝以上しているパターのプロジェクトにデザイナーとして関わってきたトゥーロン氏の話を聞いた。
「私たちは今回で『世界で最も美しいミルドパターを作る』という目標を達成したと信じていて、2025年モデルのテーマだった『ソフトの美学』もキープしていますが、この10年で我々ができていなかったのが、トゥーロンを使った世界中の選手の実績について語ること。現在、世界のツアーで70勝以上する中、その多くが2026年モデルに向けて開発した『ディープ・ダイヤモンド・ミル』と呼ぶフェースパターンによるものです。この溝が製品のパフォーマンスを我々がこれまで見たことのないレベルへと引き上げてくれるのです」 ■ザンダー・シャウフェレと同じ浅い溝で「順回転」 このミーリングは「第5世代」と位置づけられる最新仕様。そこに至るまでに5度の改良を重ね、完成度を高めてきたもので、ザンダー・シャウフェレのエース『Toulon Las Vegas』プロトタイプと同じ【ヨコ向き溝】の入ったもの。深すぎず・やや浅めにしてソフトな打感と音を実現し、より多くの順回転も生み出せるという。
「『ディープ・ダイヤモンド・ミル』を採用したことで、音・打感・ソフトさを維持したまま転がりの性能を向上させることができました。世界最高の選手の一人(ザンダー)や、マーベリック・マクニーリーのような選手によって製品の性能が既に証明されていたので、この結論に至るのは非常にシンプルでした。我々は細部にこだわり抜き、世界で最も美しい削り出しパターを作っているだけでなく、最も優れた性能を発揮するパターを作っていると確信しています。これは大きな一歩です」 ■米国で大好評の「ミッドナイトブルー」仕上げ 先行する米国でも特に好評なのが、「ミッドナイトブルー」仕上げだという。マレット型の『モナコ』他はブルーとシルバーのコンビネーションとなり、操作性の良いブレード型は青の単色になる。
「以前、限定モデルの『スモールバッチ』でこの深い青を出した際、すごく好評だったため、2026年モデルの定番カラーに採用しました。PVD仕上げに比べて耐久性が非常に高く、長期間使用しても色が剥げにくいのが特徴です。また、この落ち着いた青はプレーヤーの精神を落ち着かせ、リラックスさせる効果も期待できますね」 本題のテーマ「パターフィッティング」については、他社のようにマニュアル化されたものではなく「一人ひとりの無意識の弱点」を細かく見極める、根治治療タイプだ。
「我々はエースパターで起きているミスをよく観察します。【なぜミスしたのか】の原因と、それを防ぐために【無意識にごまかしている動き】を注意深く見ます。それを踏まえて、当人がより自然体で打てるものを探すのが基本。ミスとごまかしのパターンが見えたら計測機(クインテック)のデータも交えて修正し、最終的にその人に合ったライ角やロフトなどを選び、工房で調整したものを用意して自然体できっちり打てる状態まで持っていきます。ですから、たった一回のフィッティングでゴルファーは納得したモノを長く使えるのです」 ■ゼロトルクで引っかけるなら「フォローを短く」 米国でもゼロトルクパターが大ヒットしている中、「入らない」「引っかける」と悩んでスタジオに駆け込むゴルファーが多いとか。心当たりのある人は、トゥーロン氏の助言を試してほしい。
「私のアドバイスはタイガーのように【フォローを減らしなさい】です。一般的なゴルファーに多い典型的なミスは、フォロースルーを長く取りすぎること。もっとコンパクトにすればミスは減ります。フォローを長くするほど自分の手でトルクを発生させがちになるので。テークバックしたら後はヘッドの重みで打つだけ。実際、プロや選手たちにも同じように助言しています」 ■ブレード?マレットなら「トウハング少なめ」に 前回の来日時には、より高額な『フォーミュラ』シリーズを例に、「自分に合うトウハングの大切さ」について力説したトゥーロン氏。今回の2026年モデルは市場の要望に応じて、前作よりマレット型を充実させた。そのため、ブレードからマレットへ移行する際のトウハングの注意点についてもこう促していた。
「例えば、マレットに変えたいけれど【ブレードの感覚も残したい】なら、トウハングの角度を(ネックで)合わせるなど、多くの選択肢から違和感なく移行できるモノを提案できます。マレットはブレードと重心位置が違うので、同じトウハング角でも動きは同じになりません。もしブレードからマレットに変えるなら、トウハングは同じではなく、むしろ少ない角度を選ぶほうが同じ感覚で打てますね」 税込13万円オーバーとかなり値は張るが、巨匠自ら「最も美しいミルドパター」という渾身の力作。TOULON JAPANオンラインストア、ダブルイーグル各店、PGA TOUR SUPERSTORE各店、一部のヴィクトリアゴルフ、ゴルフパートナーなど「限られたお店でのみ取扱予定」とのこと。