今大会でメジャー大会の連続出場が100回となるアダム・スコット(撮影:GettyImages)
<全米オープン 事前情報◇16日◇シネコック・ヒルズGC(ニューヨーク州)◇7440ヤード・パー70>男子ゴルフの海外メジャー大会は年4回。出場資格は世界ランキング上位など通常の大会より絞られ、毎年全4回に出場することは一流ゴルファーの証とされている。その中で25年間、実に100回にわたり連続出場を続ける選手が一人だけいる。アダム・スコット(オーストラリア)がその人だ。これまで100回連続出場を成し遂げたのはジャック・ニクラス(米国)ただ一人。ニクラスの146回連続という異次元の記録には「あと11、12年も続けるのは考えられないことだけど、今週はすごく楽しみだ」と笑顔を見せる。
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来月17日に46歳を迎える大ベテランは、世界を代表する名ゴルファーとして世界中のツアーを舞台に活躍してきた。2013年には「マスターズ」を制するなど、米国男子ツアーでは通算14勝を積み重ね、14年には世界ランキング1位にも輝いた。日本企業のUNIQLOと契約を結んだ13年以降は、「日本オープン」へも参戦するなど、ワールドワイドに雄姿を見せる。そんなスコットが、現地時間18日に開幕するゴルファー世界一決定戦とも称される「全米オープン」で、メジャー連続出場100回目を迎える。「それ(100連続出場)を目標にしてきたわけではなけど、最近は周りのひとからも言われるようになったんだ。若いころは、まさかこの年齢まで(ツアーで)やっていると思ってもいなかったのに」。第一線でのプレーをアラフィフが迫るこの時まで持続させることさえ考えていなかった。それが気づけば、1試合も欠かすことなく世界最高峰の4大メジャーに挑み続けることになった。「とても簡単ではなかったけど、集中を切らさず長い間、前向きにやってくることができたおかげ」と穏やかな笑みを見せ、この25年間を振り返った。アマチュア時代の華々しい実績を引っ提げ2000年にプロ転向。美麗なスイングと甘いマスク、そして何よりそのあふれる才能と強さからも“ホワイト・タイガー”と称された。当時すでに世界トップに君臨していたタイガー・ウッズ(米国)と比較されたニックネームであることは言うまでもない。プロデビューの年にわずか8試合の出場で欧州ツアー(現DPワールドツアー)の翌年シードを獲得し、01年の自身シーズン初戦で初優勝。その後も勝利を重ねてきた。03年の「ドイツ銀行選手権」では米ツアー初V。04年には同ツアーのフラッグシップ大会「ザ・プレーヤーズ選手権」を当時最年少の23歳で制した。同年にはさらに1勝を挙げて、06年以降も順調に勝ち星を手にした。その集大成が13年のマスターズだった。アンヘル・カブレラ(アルゼンチン)とのプレーオフに競り勝ち、オーストラリア出身選手としてはじめてグリーンジャケットに袖を通した。32歳で初のメジャー制覇。絶頂期を迎え、8月にも1勝を果たして16年にも2勝。メジャー2勝目が期待されるなか、その後は勝利の女神が微笑まない。そんな苦しい時間を経て20年2月、40歳を間近に控えた2月の「ジェネシス招待」で4年ぶりの美酒を味わう。以降も米ツアーの看板選手として、そして米対抗戦の「ザ・プレジデンツカップ」では依然として松山英樹とともに世界選抜のエースとして存在感を放ってきた。20年以降の6年は勝利こそないものの、常に世界のトップステージにスコットの姿はあった。年齢やコンディションとも相談しながら試合数を絞り、万全の状態で米15勝目に何度も王手をかけてきた。昨年の本大会では3日目を終えて1打差2位。結果的には最終日に失速し12位に終わった。今年の2月上旬には世界ランキングが70位台まで下降し、一時は本大会の出場も危ぶまれながら、直後の「ジェネシス招待」、4月の「キャデラック選手権」で4位に入り、一気に52位にランクアップ。自力で出場権を獲得した。今年の会場となるシネコック・ヒルズGCでの本大会は04年、18年に続き3度目の出場。「先週の木曜から入って4ラウンドの練習ラウンドをしてきた。過去2回は結果が良くなかったので、そのことは頭に入れずというか不思議と悪かったことは覚えていないから、新鮮な気持ちで入れている」と、準備に余念はない。その2度は予選落ちだが、記念すべきメジャー100大会目へ静かに闘志を燃やす。前回開催の18年大会は優勝スコアがトータル1オーバーという難コース。「ここは風が吹くという点で、全米というより全英(オープン)に近いかもしれない。グリーンの形状は(地元オーストラリアの)ロイヤル・メルボルンに近い感じがするし、そう思うことにしている」。慣れ親しんだ地元コースのグリーン形状との類似点をアドバンテージととらえることが攻略へとつながるとした。13年ぶりのビッグタイトルへと向かうスコット。「このレベルでプレーし続けることが大好きだし、これからも長いことやり続けたい」と今後のキャリアへの意欲も見せる。「僕のこれまでの経験と、難コースでの戦術は有利になると思う」。ビッグタイトルを渇望する気持ちは、まだまだ色あせない。