強風が予想されているシネコックヒルズ。選手たちはどう対応する?(撮影:GettyImages)
<全米オープン 事前情報◇17日◇シネコック・ヒルズGC(ニューヨーク州)◇7440ヤード・パー70>今大会の舞台は超難度のグリーンを誇るリンクス、シネコックヒルズGC。開幕前日に公式会見に臨んだチーフ・チャンピオンシップ委員長のジョン・ボーデンハマー氏が、ラウンド中にグリーンへの“散水”を実施することを明らかにした。
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初日の木曜日は午前10時頃から風が強まり、午後は風速5~10メートルの風が吹き続ける予報。一時は15メートルの突風も予想されており、乾いたグリーンではボールが止まらなくなる可能性がある。「木曜と金曜の予選ラウンドでは、グリーンに散水を行う。少量の水を補給して芝のしおれを防ぎ、健全な状態を維持するためだ」とボーデンハマー氏。すでに選手たちにも通達済みで、「散水によって午前組と午後組のコンディション差を抑え、競技の公平性を高めたい」と説明した。実はシネコックヒルズの難グリーンは、過去にも大きな論争を巻き起こしている。直近で開催された2018年大会では、フィル・ミケルソン(米国)が第3ラウンドでゴルフ界を驚かせた。13番パー4で放ったボギーパットはカップを通り過ぎ、傾斜に乗ってグリーン下へ転がり出した。するとミケルソンは、ボールが止まるのを待たずに動いている球を打ち返した。グリーンを囲んだギャラリーは、大舞台では考えられないプレーに騒然となった。さらにミケルソンが笑いながらグリーンを去ったことで、事態はより大きな波紋を呼んだ。結果的に2罰打が科され、このホールは「10」を叩いたが、本人はこれが止まらないグリーンへの抗議だったとは認めなかった。
2004年大会でも散水が行われていた。週末は海風ではなく、内陸から乾いた北西風が吹き荒れた。コースは想定以上に乾燥し、グリーンはボールがほとんど止まらない状態に。その結果、いくつかのグリーンでは数組ごとに散水が行われる事態となった。しかし、「散水直後の組とそうでない組で大きな差が生じた」として、選手たちから全米ゴルフ協会(USGA)に批判が相次いだ。今週末も風速13メートルを超える乾いた北西風が吹く予報となっている。ボーデンハマー氏は「予選ラウンドの午前組、午後組だけでなく、4日間すべてのラウンドでプレー中に散水を行う」と説明。さらに、グリーンスピードを通常のスティンプメーター11.5~12フィートから10フィート台半ばまで落とし、ホールロケーションの難度も下げる方針を明かした。特に7番パー3と11番パー3のグリーンについては、重点的に状況を注視していくという。(文・武川玲子=米国在住)