堀琴音は構えた時からカップを見続けている(撮影:福田文平)
青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、好調な選手や注目選手の強さのヒミツを解説、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回はパッティングに置けるカップの存在を深掘りした。
【写真】カップは通過点と考えてオーバーさせる練習をする三ヶ島かな
◇ 5月に行われた「ブリヂストンレディス」の練習日に、三ヶ島かながパッティング練習をしていた。3~4メートルほどの距離だが、よく見るとキャディが足でカップを隠して、カップの先70~80センチのところにティペグを立てている。 この練習について聞いてみると「(ストロークが)緩んじゃうから、(カップの先の)ティまで打つ練習です。カップは通過点のイメージにするために足でカップを隠してもらっていました」。カップを見ると合わせてしまい、緩みがちなる。それを防ぐため、カップの先のティまでのタッチを練習する。数球転がしたあとに、カップを隠さずに打ってオーバーさせる感覚を高めるというわけだ。実際に打つときは、ターゲット方向を見てタッチを決めて、ボールの数センチ先の目印に打ち出すことだけを意識しているという。 パッティングでのカップについて大西コーチは次のように解説する。「目標のカップを意識するがゆえに硬直してストロークをミスしたり、タッチが合わないことはよくあります。逆に堀琴音選手のようにアドレスからカップを見たまま、常にカップを意識して打つ選手もいます。カップを意識したほうがスムーズにストロークできるといいます」 2025年の「日本女子オープン」を制した堀は、深い前傾角でアドレス時からカップを見てストロークする。最初は手がスムーズに動くために練習ドリルとしてやっていたが、実戦でも取り入れるようになった。その結果がナショナルオープン制覇である。 「カップを意識する、意識しないはどちらも正解です。自分に合うか、合わないかという思考になります。パッティングで悩みがある方は、どちらも試してみると、合う方が分かるはずですし、ストロークも変わるはずです。アマチュアの方でもストロークがしっかりしている方は、カップを見たままボールを打つこともできます」と、どちらの意識を持った方がいいか、試すことをオススメする。 三ヶ島のようにキャディにカップを隠してもらうのは、アマチュアはなかなかできないだろう。ただ、同様の練習として練習グリーンではカップに打つのではなく、ティペグを立ててそれに向かって打つといいという。「カップはボール2個半入る広さがあります。どうしても“入れよう”という気持ちが湧いてきます。ティは細いので1点集中になるので、ある意味、決め打ちの練習になります」。 ショートしがちだったり、パンチが入りやすいという人は、カップを思い切り意識するか、まったく意識しないようにするか、試してみる価値はありそうだ。 ■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。