ロティ・ウォードは最後の最後に痛恨ミス。それでも勝者の山下美夢有を称えた(撮影:GettyImages)
<マイヤーLPGAクラシック 最終日◇21日◇ブライスフィールドCC(ミシガン州)◇6611ヤード・パー72>終盤の17番パー4。左バンカーからのリカバリーショットが直接決まり、単独首位に浮上した。すでにホールアウトしていた山下美夢有を1打リードし迎えたのは、4日間を通じて最も易しかった最終18番パー5。最終日も平均ストローク『4.341』だったチャンスホールが、ロティ・ウォード(イングランド)にとって“悲劇の舞台”になってしまった。
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「17番は本当に“ボーナス”みたいな感じだった。あのバンカーショットは簡単ではなかったし、それを決められたのは良かった」最後は467ヤードに設定され、2オンも狙えるホール。ウォードもここまでの3日間はすべてバーディを奪ってきた“得意ホール”だ。『このまま逃げ切るだろう』。見る者の多くはそう思ったはずだ。ウォードも安全策は取らず、自分のマネジメントを貫いた。「基本的に2オンを狙うタイプだし、あの場面でももちろんいくつもりだった」そう決めて放った2打目は、ピンサイドのグリーン左ラフに落ちた。ここで暗雲。残ったのはニアサイドのピンを狙うバンカー越えのアプローチだ。すると、やはりというべきか、3打目はピンを大きくオーバーした。「毎日ずっと2オンを狙っていたから、『今回もいこう』と思った。でも今になって思えば、そうしなければ良かったかなとも思う。刻んで、アプローチで寄せる選択をしたほうが良かったかもしれない」。後悔ものぞかせる。バーディパットで50センチまで寄せたが、結果的にパーパットがカップに蹴られて3パット。“まさかの”ボギーにより、勝負を山下とのプレーオフまでもつれ込ませてしまった。そして再び、その18番で行われたプレーオフも、22歳の救いにはならなかった。寄せやすいグリーン手前からのアプローチ勝負は山下が1.2メートルにつけたのに対し、ウォードは2.5メートルほど奥へ。先に打った下りのバーディパットはカップを外れ、その後、山下が勝負を決める一打をカップに沈めた。劇的な終盤のバーディで、5月「クローガー・クイーンシティ選手権」に続く今季2勝目に大きく近づきながら、勝利はその手をすり抜けた。世界アマチュアランク1位だった昨年7月に、条件をクリアしたトップアマのメンバー入りを認める『LPGAエリートアマチュアパスウェイ(LEAP)』を利用しツアーに本格参戦。プロ初戦になった7月の「ISPS HANDA スコットランド女子オープン」では、史上3人目のデビュー戦優勝も果たしたホープにとって、思いがけない2ホールになった。ちなみに、この18番で最終日にボギーを打ったのはわずかに2人。優勝目前でそのひとりになってしまったのは、ゴルフの神様のいたずらか。「プレーオフでは、美夢有が素晴らしいプレーをしたと思う」。悔しさを胸に秘めながらも、最後に勝者をたたえる姿は、実力だけでなく人柄のよさもうかがえた。(文・齊藤啓介)