復活優勝を目指す木戸愛が実践するキャリー1ヤードのアプローチ練習(撮影:ALBA)
青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、好調な選手や注目選手の強さのヒミツを解説、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回は木戸愛が実践する1ヤードのアプローチ練習について聞いた。
【連続写真】この振り幅が木戸愛の1yアプローチ
◇ 昨年6季ぶりにシード復活を果たし、今季、14年ぶり通算2勝目を目指す36歳の木戸愛。優勝すればツアー史上最長ブランクVとなるが、ここまで「ヨネックスレディス」2位タイなどトップ5入り3回と、その偉業も近そうだ。 30歳を過ぎてもコツコツ練習を重ねて、復活Vへの道を歩んでいる木戸。「ブリヂストンレディス」ではグリーンエッジにボールを置き、ボールから1ヤードの地点にティペグを刺して、キャリー1ヤードを打つ練習を黙々とこなしていた。 その意図を木戸に聞くと「実際の試合でキャリー1ヤードを打つ場面もありますし、ヘッドの入りをよくするための練習です」と教えてくれた。 「最近、ボールを直接コツンと打っちゃうんです。ボールの手前からヘッドを入れて、バンスを滑らせる感覚を養っています。コツンと打っていると少しのタイミングのズレで大きなミスになりやすい。バンスを滑らせていれば、大きなミスになりにくいです」。両足を揃えるぐらいスタンスを狭くして、ボールを右足寄りにおいてフェースを少し開く。そして手先を使わず、パターのように体を使って打っている。 キャリー1ヤードのアプローチ練習について大西コーチが次のように解説する。「実戦でも使えるだけでなく、1ヤードのキャリーをつかんでいれば、距離感を育むことができます。1ヤードの振り幅やスピードなど足し算すれば5ヤード、10ヤード、15ヤード、20ヤードのキャリーも身に着けられます」。中途半端な距離を打ち分けるための土台になるという。 1ヤードというのがまた肝でもある。「5ヤード、10ヤードのキャリーを打つ場合、勢い任せだったり、当たりが悪くても打てたりしますが、1ヤードだとごまかしがきかない。しっかりとスイングをしないと打てません。1ヤードでもフェースに乗る感覚も明確に作れるようになります」とも付け加える。 キャリー1ヤードというと、“すぐそこ”である。強く入ったり緩んだり、なかなか距離感をそろえるのが難しい。1ヤードを打つコツは「アドレス時の腕と肩でできる三角形をキープすることは大切です。しかし、手首はガチガチにせずに柔らかく使うことがポイントです」。 さらに大事な要素として挙げたのは頭の高さ。「テークバックした途端に頭が下がるアマチュアの方は多いです。そうするとインパクトポイントがズレて強く入ったり、ダフってしまいます。アドレス時から首を長く保ちイメージで、頭の高さを変えないことを意識しましょう」。スイングスピードを加速したり、緩めず、自身の振り幅で1ヤードを見つけてみよう。 打ちっぱなしの練習場では、1ヤードのアプローチ練習をする機会は少ないかも知れないが、アプローチの基礎を身に着ける意味でも大事な時間だ。インドアレンジなどで積極的にやってみると、100ヤード以内のゴルフが劇的に変化するかもしれない。 ■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。