21歳のティーチングプロが夢の舞台で戦った4日間。次はツアープロとして参戦する。(撮影:南しずか)
<KPMG全米女子プロ選手権 最終日◇28日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>女子プロゴルファー世界一を決める大会には、『Corebridge Financial Team(コアブリッジ・ファイナンシャル・チーム)』という特別出場枠が設けられている。今年も『LPGA』および『PGA of America』に所属するティーチングプロ(クラブ所属プロ)の中から、プロ競技会での成績によって選ばれた8人が、ツアープロとは異なるルートでメジャーの舞台を経験。そして、そのなかで21歳の選手が唯一、4日間を戦い抜いた。
【写真】身長180センチ ニコール・フェルスが優勝者と記念撮影
その名はニコール・フェルス(米国)。普段は米フロリダ州のカントリーサイドCCでティーチングプロ(クラブ所属プロ)として勤務しており、『LPGA』および『PGA of America』のClass A資格を持つ。初日こそ「75」の3オーバー発進となったが、2日目は3バーディ・1ボギーの「70」をマークし予選通過を果たした。2015年以降、ティーチングプロやクラブ所属プロで予選を通過したのはこれまでにわずか3人のみ。その中でフェルスは、19年のカン・ジミン(韓国)以来となる決勝進出となった。「今週の目標は予選通過だったので、それを達成できてただただうれしい。世界のトップ選手と一緒にプレーできたことは、本当に特別で、そしてとても謙虚な気持ちになった」3日目はスイングの感覚がかみ合わず「81」を叩いたが、最終日は強風が吹く難コンディションの中でも粘りのゴルフを見せ、「73」でホールアウト。トータル11オーバー・68位という成績で4日間を終えた。ラウンド後は優勝したユ・ヘラン(韓国)とともに、同枠における最上位選手として表彰もされた。「人生でも最高の1週間。ファンの応援もすごく力になったし、PGAとLPGAの両方の世界に関われていることを誇りに思う」。まさに夢の舞台で戦った4日間だ。23年には米女子下部のエプソン・ツアーの一部出場資格も獲得しており、“ティーチングプロ”としてのキャリアと並行して、プロツアーへの挑戦も続けている。試合が終われば再びゴルフ場での勤務に戻る。「将来的にはツアーでプレーすることが目標。Qスクールにも挑戦する」。米ツアー参戦への思いはさらに具体的なものになった。(文・齊藤啓介)