渋野日向子は苦手コースで笑顔の滑り出し(撮影:ALBA)
<アムンディ・エビアン選手権 初日◇9日◇エビアン・リゾートGC(フランス)◇6479ヤード・パー71>渋野日向子は、開幕前に「あまり好きじゃない」と苦笑いを浮かべたコースは、今年もピンチの連続だった。開始2ホール目の11番でバーディを奪った直後の12番では、ティショットが右の林へと飛んで行った。「左の林にぶっこんだ」という18番パー5は、ドライバーショットで150ヤードほどしか進むことができない。2打目はエッジまで290ヤード。それでも「3打目勝負」と切り替え、ここをパーでしのぐなど、難局をひとつひとつ乗り越えていった。
【写真】やっぱり似ている? 渋野姉妹の2ショット
「(コースの)幅が狭いのでいろいろ考えながら振ってしまっていたけど、なんとかなりました」。フェアウェイキープ率は61.5%(8/13)だが、ひとつ間違えば崩れていてもおかしくない状況。そこをとにかく耐えた。13番パー4もティショットが右のバンカーに入り、2打目は出すだけの状況に。そこからの3打目は190ヤード残ったが、“オッケー”につけて拾ったパーだ。「ピンチ、そうそう、けっこう(パー)セ~ブ!って感じ」。ラウンド後には豪快に笑い飛ばしたが、暑さのなか、神経を使いながらのラウンドだった。そんななか後半の5番パー3で、ピン左奥から8メートルのスライスラインをたたき込んだ。6番ではグリーン手前からのアプローチが2メートルオーバーしたが、それを沈める。さらに8番パー3では、右手前ラフから5メートル奥と寄せきれなかったが、ここもパターが仕事をした。すると“ご褒美”は最終9番。右6メートルのバーディパットを決めると、驚きと笑いが同時にこみ上げてきたような表情で、この“波乱万丈”な一日を締めくくった。重たいグリーンは、ショートパットの連鎖を生んだ。それでも「ストロークにフォーカスしすぎていたのを、カップにフォーカスした。それでいい時も悪い時もあったけど、きょうはそれで最後の方は入ってくれた」と、特に終盤はグリーン上で印象的な場面が目立った。パット数「28」という数字は、必死に耐え抜いた跡とも言える。スタート前には、日本女子プロゴルフ協会のHPを何度も更新した。茨城県のサミットGCで行われたプロテスト第1次予選に、妹の暉璃子(きりこ)が参加、その最終日を迎えていたからだ。「連絡はできないから、とりあえず(リーダーボードが)出るまで何度も更新して」。結果はボーダーライン上のトータル2オーバー・35位タイで、無事2次予選に進出。「なんとか通った。1位で通ろうが一番下だろうが一緒なんで。狭き門ですけど、とりあえずよくやったな」。まずは一安心して迎えた一日でもあった。エビアンには2022年から5年連続5度目の出場だが、ここまで予選落ち、51位、59位、そして昨年も予選落ち。それでも今年は23年の第3ラウンド、24年の最終ラウンドに続き、この大会3度目となる60台(すべて「69」)で滑り出した。「いい終わり方ができたのですごい前向きな感じ」。午前組でプレーする2日目は、大会自己ベストの滑り出しとなった20位タイから、さらに上位をうかがう。『妹にいい姿を見せたい?』と聞かれると、「自分が意識してても(渋野のプレーを)見てないんだ! だから自分達の道を頑張ろうって言ってみる」とまた笑顔。ただ、ここはメジャーという大舞台。フランスからのいい報告は、この後2次、そして最終テストへと向かっていく妹の力にも、 きっとなるはずだ。(文・間宮輝憲)