永井花奈が長いトンネルを抜け、ついに2勝目をつかんだ(撮影:福田文平)
<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 最終日◇12日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6700ヤード・パー72>待ちに待った日がやって来た。トータル19アンダーのスコアは想定より1打少なかったが、最終18番のティイングエリアには想定よりも1打多い、3打のリードで持って帰って来た。ティショットはフェアウェイに。永井花奈が8年256日ぶりの優勝を確信した瞬間だった。
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「最高です。18番のティショットを打って、勝てたかなと。2打目はグリーンには確実に届かない番手のクラブでした。1打リードではできなかったジャッジ。9年というのは長い月日だけど、1勝目はすごくラッキーだった。足りないものが本当に多かったので、時間がかかったと思います」プロ11年目にして初めて単独首位で最終日を出た。前半はバーディなし。土砂降りの雨で競技が29分間、中断した7番で先にボギーが来た。トーナメントコースレコードの「63」をマークした前日の原動力となったショットがピンに絡まない。「可もなく不可もなくでした」と振り返ったが、長年コンビを組む金村昭典キャディは「緊張していましたね」と前日までとは違うメンタルを感じ取っていた。7番はティショットを右の林に入れ、2打目を隣りの6番に出したところで中断となった。再開後の3打目をグリーンに乗せたが、2.5メートルを外してのボギー。「7番のティショットを打ったときにグリッププレッシャーが強すぎると思った。どうしたら修正できるかを考え、次で試そうと。中断中はしっかり気持ちを落ち着かせて、危なげないボギーで上がることを考えていました」。頭のなかを整理できた29分間。このホールで首位の座を一度は仲宗根澄香に譲ったが、“水入り”の時間は間違いなく後半のバーディラッシュの伏線となった。「きょう勝てなかったら、負け癖がついてしまう。10番は絶対にバーディを取ろうと思っていた。あそこが流れを変えるポイントでした。この流れに乗っていかないと一日が終わってしまう。11番も絶対にバーディを取るつもりでした」前週の「資生堂・JALレディス」は単独首位で迎えた最終日最終ホールでティショットを大きく右に曲げて、ボギーを叩き、史上最多の7人によるプレーオフのすえに敗れた。今季3度目の2位に終わった翌週に巡ってきた雪辱の好機。10番は3メートルを気持ちでねじ込み、11番パー5は3打目をピンそば1メートルにつけた。さらに、14番からは2連続バーディ。最終18番で短いウィニングパットを決めると自然と涙があふれてきた。東京・日出高を卒業した2016年のプロテストにトップ合格を果たし、2年目の17年に2日間の短縮競技となった「樋口久子 三菱電機レディス」で初優勝を飾った。当時は20歳の新鋭。「自分でも恥ずかしいくらい自信満々だった」。だが、2勝目は遠かった。2度のシード落ちも経験。「私は諦めが悪いので、2勝目を挙げないと辞められないと思った。逆にそれが遅らせた原因かもしれないけど、ゴルフを辞めてもいいと思うくらいの気持ちでやってきました」1988年のツアー制度施行後、6番目となるブランクV。思い描いていたことは、ようやく現実のものとなったが、それと引き換えにクラブを置くつもりは毛頭ない。「はい、辞めません。 選手として出られる限りゴルフを続けたい。まだまだチャンスがあると思うので、全力で頑張ります」。メルセデス・ランキングは3位に上がった。今月下旬には初の海外メジャーとなる「AIG女子オープン」(全英、7月30日~8月2日、ロイヤルリザム&セントアンズGC)にも挑戦する。20歳で初優勝、29歳で2勝目をつかんだ。今季の年間獲得賞金は7000万円を突破。キャリアハイの更新まであと320万円余りとなり、「稼いでみたい」という初の1億円突破も見えてきた。苦労した分、たくましさを身につけた。永井のゴルフは今が旬だ。(文・臼杵孝志)■ブランクV上位 ※1988年ツアー制度施行後①金田久美子(11年189日)2011年「フジサンケイレディス」―2022年「三菱電機レディス」②藤田さいき(11年35日)2011年「富士通レディース」―2022年「大王製紙エリエールレディス」③中嶋千尋(9年297日)1988年「ダンロップレディス」―1998年「健勝苑レディス道後」④黄アルム(9年115日)2009年「ヤマハレディース」―2018年「大東建託・いい部屋ネットレディス」⑤ト阿玉(9年17日)1993年「東鳩レディスー2002年再春館レディース」―2002年「再春館レディース」⑥永井花奈(8年256日)2017年「樋口久子 三菱電機レディス」―2026年「ミネベアミツミレディス」