「ミネベアミツミ・レディース北海道新聞カップ」で9年ぶりとなるツアー2勝目を挙げた永井(撮影:GettyImages)
「ミネベアミツミ・レディース北海道新聞カップ」で9年ぶりのツアー2勝目を挙げた永井花奈。今季は好調なプレーを続け、高いショット精度を誇る彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹氏が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
【連続写真】クラブを遅らせながら立てて下ろす 永井花奈のアイアンスイング
◇ ◇ ◇9年ぶりのツアー2勝目を挙げた永井花奈プロ。アマチュアにも参考になるポイントが数多く見られるので、そのスイングをじっくり解説したいと思います。【フォローでフェースが上を向く】フェースローテーションを抑え、ボディターン主体で打っていく、方向性に優れた曲がりにくいスイングです。トップではフェースが斜め上を向くスクエアなポジションに収まり、ダウンスイングからインパクトにかけてもその向きはほとんど変わりません。フォローではフェースが上を向いています。多くの選手はこの時点でフェースが左を向き、緩やかにターンしていきますが、永井さんは本当にフェースローテーションが少ないタイプです。【頭からお尻までのラインをキープして深いトップを作る】ヒザを軽く曲げ、股関節から前傾を作る教科書通りのアドレスです。バックスイングでは左ヒザが右ヒザ方向へ寄り、上体の回転をサポート。肩も大きく回っています。上体の回転量は大きいものの、クラブが適正なポジションに収まっているのは、手先を使い過ぎていない証拠です。また、回転量が大きくなっても上下動や軸ブレが見られません。アドレスで作った頭からお尻までのラインを維持したまま、背骨を軸にして回転できているからこそ可能な動きと言えます。【下半身リードでクラブを遅らせ、インから下ろす】方向性に優れたスイングですが、番手通りの飛距離を打てる要因の一つが、上半身と下半身の時間差をしっかり作り、クラブを遅らせて下ろしている点です。クラブを適度に遅らせてタメを作ることでインサイドからのプレーンを作りやすくなり、ボールをつかまえやすくなるだけでなく、シャフトのしなりも十分に使えます。ボールがつかまらない人はもちろん、フックやチーピンに悩む人、ダウンスイングでクラブが寝てしまう人にも参考になる動きです。ここでいう「クラブを遅らせる」とは、決して「振り遅れる」ことではありません。前者は下半身リードによって上下の捻転差を作り、クラブは立って下ります。後者はクラブが寝て振り遅れる状態を意味します。【クラブを遅らせる感覚はスプリットハンド打ちで身に付く】クラブを立てて下ろし、「クラブを遅らせる」感覚を身に付けるには、左右の手を拳半分ほど離して握るスプリットハンドがおすすめ。ミドルアイアンを使い、高めにティアップしたボールを打ちます。スイング幅は肩から肩まで。右手はヨコから握り、右手のヒラが常にボールを向いているイメージで振ってください。スプリットハンドにすることでクラブを立てて下ろしやすくなり、クラブが寝て下りる「振り遅れ」の矯正につながります。ストレートボールが打てれば、上半身と下半身の時間差が作れてクラブが立って下りている証拠。一方、左へ真っすぐ飛ぶ場合は、クラブは立っているものの、上半身から切り返してカット軌道になっている可能性があります。また、プッシュやチーピンなどが出る場合は、クラブが寝て下りてしまっています。永井プロのように、体は深く回しても手元はコンパクトな位置に収めるイメージで練習してみてください。■永井花奈ながい・かな/1997年生まれ、東京都出身。2017年「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝。2026年「ミネベアミツミ・レディース北海道新聞カップ」で9年ぶりとなるツアー2勝目を挙げた。ServiceNow所属。■解説・南秀樹みなみ・ひでき/プロゴルファーだった父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。◇ ◇ ◇●桑木のアイアンショットを詳細分析! 関連記事「桑木志帆はなぜマン振りしても曲がらない? 『右ベタ足』&『引く左足』がつかまえる技術だった【優勝者のスイング】」を読めば、その秘密が分かります。