原英莉花が日本勢最上位の5位で大会をスタートさせた(撮影:ALBA)
<ISPS HANDA スコットランド女子オープン 初日◇23日◇ダンドナルド・リンクス(スコットランド)◇6543ヤード・パー72>前回出場した2年前は、サスペンデッドが発生するほどの悪天候もあり打ちのめされた。開幕前には「もう過去イチと言っても過言ではないくらい“謎”になりました。今年、来るのもドキドキで…」とトラウマにすらなっていたコースでプレーした原英莉花だが、過去の自分に打ち克った。
【写真】ポイントに挙げた2番のバンカーショットック
午後組でプレーした一日は、本人も「まさかの」と目を丸くする10番のOKバーディから始まった。「ボギーを打たないように、しっかりマネジメントしながら。そのなかでバーディが取れてすごくよかった」。さらに15番パー3でも1つ伸ばした。2アンダー・5位タイで発進したが、「カギになりました」と振り返った場所がある。ティショットを右のラフに外し、この日、最初のボギーを叩いた1番の後に迎えた、2番パー4だ。フェアウェイから残り135ヤードの2打目が、グリーン右にあるピンサイドのポットバンカーにハマった。「グリーンに乗ってから跳ねてしまうことが、それまでも多いイメージだったので、(コースを)狭く考えすぎてしまいました」。連続ボギーのピンチ。しかもライは「右足はバンカーを踏めなくて、ヒザを折りながら壁にかける」ような状態のなか、クラブが壁に当たらないように打った一打が、ピタリと寄った。これで楽々のパー。すると続く3番パー5では、20メートルからのイーグルパットを1.5メートルにつけ、そのバーディパットを決めた。小さいポットバンカーが多いコースで、「想定はしていました」という無理な態勢からのパーセーブが、失いかけた流れを引き寄せたとも言える。風が吹き、冷え込むなかで5時間30分近くかかったラウンドは、待ち時間も多くあった。5番パー5でも“待ちぼうけ”を食らったが、そのあいだも風が吹いたり、やんだりするなかでどう打つかを強くイメージ。結果、ピンまで残り225ヤードの2打目を、4番UTで右からのフォローの風に乗せて2オンさせ、ここもバーディを記録した。「確認する時間があって逆に良かった」とアドバンテージにした。ここで、どうしても克服したい「課題」があった。すぐ左横に線路が敷かれ、時に電車が通過するなかプレーする13番パー4は、特に「嫌なイメージがあるホール」だったという。「(グリーン)右のバンカーに入れないように。2年前に感じた嫌なところに勝つということをきょうはクリアできました」。いい記憶に塗り替えていく作業も重要だ。まだ日本ツアーを主戦場にし、スポット参戦した2年前は、トータル8オーバーで予選落ちと“リンクスの洗礼”を浴びた。しかし、1年間の下部ツアー経験を経て、米ツアーメンバーになった今年、スコアも飛躍的にアップ。これには「普通にうれしい。ダボを打たなかったのは、自分のなかで『ヨシッ!』っていうポイント」と、笑顔で話す。アンダーパーであがったのは、出場144人中わずか13人。それでも、天候ひとつで状況が大きく変わるコースだということも身に染みている。2日目も、自分との戦いは続く。(文・間宮輝憲)