ゴルフパートナー

無駄にしなかった“2年前の絶望”「経験は大きい」 原英莉花が上位で週末へ

2026/07/25 07:40

原英莉花は連日「70」をマークした(撮影:ALBA)

<ISPS HANDA スコットランド女子オープン 2日目◇24日◇ダンドナルド・リンクス(スコットランド)◇6543ヤード・パー72>「正直、このコースでうまくいくなんて思ってない。マイナスのイメージより、『でた~』『きました~』って受け入れられるようになりました」 【動画】お見事! 原英莉花のイーグルの瞬間 2年前にはじめてこのコースで戦った時、原英莉花は絶望の淵に立たされた。当時は日本ツアーが主戦場で、推薦でスポット参戦。初日はスタートが遅れ、さらに中断を挟むほどの荒天だった。午後組の最終組だった原がスタートした時には、すっかり夕方になっていたことも思い出す。「風が10何メートル吹いていたし、(午後)5時30分からやるの?って思いました。グリーンはカチカチだし、中止じゃないの? って。そういう経験ができたのは自分のなかで大きかったですね」まさにカルチャーショック。結果的に初日はサスペンデッドになり、2日目に25ホールを回ることに。そしてトータル8オーバーで予選落ちを喫した。悔し涙もこみ上げたほどの惨敗。そのショックが大きかったからこそ、2度目の出場となった今年は、すべてを受け入れられている。2アンダーの5位から出た2日目は、1番のティショットが右のフェアウェイバンカーに入り、いきなりボギーが来た。そのバンカーも、地面が硬く、フォローの風に乗ったがゆえに入ってしまったもの。普段なら入らないような位置にあり、これもリンクスの“理不尽”といえる。それでも「きょうは飛ぶのかな」と思うくらいで、冷静さは保てた。4番でもボギーが来たが、7番では20ヤード、8番も30ヤードのアプローチを58度のウェッジでピタリと寄せて、パーでしのいだ。「ライもあまりよくなかったし、難しかったけど落ち着いてやれました。(トゥデイ)3オーバーまでいってたら(展開が)変わっていたと思います」。このプレーをきょうのポイントに挙げる。ガマンしていれば、ご褒美もやってくる。10番パー4では、残り130ヤードからPWで打った2打目が直接カップインした。大きなリアクションをした後は、キャディとハイタッチ。ボールを拾いあげると、テレビカメラに向かってガッツポーズをしてみせた。「右からのフォローが吹いていたので、左にだけは行きたくないと思って、右を向いて打ちました」という一打がイーグルになり、前半の2ボギーを帳消しにした。16番、17番ではともに8メートルのバーディパットをねじ込んだ。後半に勢いづきトータル4アンダーの4位タイ。首位とは7打差で、上位争いに名乗りをあげた。「経験は大きいのかなと思いました。昔は、うまくいかないことを受け入れられない自分がいた。でも失敗ばかりしてるから、それも受け入れられて前向きなプレーができている…のかな?」。ボロボロになりながらクラブハウスに戻ってきたあの日の屈辱は、無駄にはしない。序盤は首をかしげていたティショットも、ホールが進むにつれ、自信を持って振っているように見えてきた。ここは2週前の「アムンディ・エビアン選手権」でも課題として口にしていた部分。「狭いコースが続いて、横振りになっているのが原因かなと思ったので、縦で振るイメージにして、少しずつよくなっている。もっとフェースをボールに向けていけるように練習します」。2日目のフェアウェイキープ率は71.4%(10/14)。及第点といっていい。「一番苦手」と話していた13番パー4でもバーディを奪い、それも素直によろこぶ。2日間の平均スコアが『75.553』というリンクスで、2日続けて「70」を記録している姿は、それこそ2年前の自分には想像もできなかったことだろう。トータルアンダーパーは、この日プレーした142人中わずか10人だ。とはいえ、難しいコースという印象が変わったわけではない。「勝負をかけられるところがない。上位で争っていても優勝争いをしていても、今の私の調子だと。エンジンをかけるというより、低空飛行をしながらうまく切り抜けていかないと。そのなかでいい最終日を迎えられたらいいけど…恐れながらプレーします」。恐怖心は完全には拭えない。しかし今年は絶望感ではなく、ワクワクした気持ちでスコットランドの週末を迎えることができる。(文・間宮輝憲)