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体を開いてクラブだけが遅れてくる! シャウフェレの飛んで曲がらない技術がすごかった

2026/07/25 12:00

深いタメを作り、インパクトでは体が目標方向を向くシャウフェレ

飛距離と方向性を高いレベルで両立する完成度の高いスイングが持ち味のザンダー・シャウフェレ(米国)。メジャー2勝を誇る彼のスイングを、プロコーチ・阿河徹氏が詳細に分析。アマチュアが参考にしたいポイントを解説してもらった。 【連続写真】深いタメを作り、インパクトでは体が目標方向を向く シャウフェレの300ヤードスイング ◇ ◇ ◇シャウフェレといえば、一流選手の中でも珍しいほど「反動」を使うスイングで知られていました。右へ左へと体重移動し、上下方向の地面反力も利用しながらスイングする。メジャー2勝という実績を残しながらも、反動を積極的に使う動きが色濃く残っていた数少ない選手でした。ところが、今年のスイングを見ると、その面影はほとんどありません。トップは驚くほどコンパクトになっていて、最初に映像を見たときには思わず「動きをだいぶん削ったな」と口にしてしまったほどです。体重移動や地面反力は、うまく使えれば飛距離の源になります。ただ、そのぶんタイミングがズレやすく、方向性を乱す要因にもなる。シャウフェレは、そのリスクを減らすために余分な動きを削ぎ落としたのだと思います。グリップにも変化が見えますね。以前はかなり強いフックグリップで、それに伴ってフェースもかなりシャットに使っていました。しかし以前の映像と比べると、今年はフェースの向きが明らかにスクエアへと変わっています。フックグリップというのは、どこかに歪みを抱えやすい握り方です。私自身もフックグリップで覚えた時期がありましたが、やはり微妙な部分があると感じています。シャウフェレもグリップを以前よりウィーク寄りに調整しているようで、その変化がフェースの向きにも表れています。一方で、変わっていないものもあります。それがクラブを遅らせる「タメ」の深さです。今回、何人かの選手のスイングを見比べましたが、その中でもシャウフェレは間違いなく最も深いタメを作っています。体はインパクトで目標方向を向いているのに、クラブだけが大きく遅れてくる。あれだけ体が開いていながら、遅れてきたクラブで正確にボールをとらえる。本当に難しいことをやっていると思います。クラブを早くリリースして飛ばすことはできません。タメを作り、そのエネルギーを一気に解放する。それがクラブヘッドのスピードを生み出す唯一の道だと、私はずっと考えています。シャウフェレのスイングから私が一番伝えたいのも、まさにその点です。ゴルフは、体をボールに向けながら打つスポーツではありません。体を目標方向へ向け、その勢いにクラブを乗せていくスポーツです。だからこそ飛距離が出て、体を使って振ってラインも出せる。そのことをアマチュアの皆さんにも、ぜひ覚えておいてほしいですね。■ザンダー・シャウフェレ1993年生まれ、米国出身。母は台湾出身で日本育ち、父はドイツとフランスにルーツを持ち、日本とも縁が深い。2021年の東京五輪で金メダルを獲得。24年の「全米プロ」でメジャー初優勝を果たし、同年の「全英オープン」も制覇した。今季は身長178センチながら、平均317.9ヤードの飛距離を誇る。■解説:阿河 徹あが・とおる/1976年生まれ。藤本佳則、塩見好輝ら数多くのツアープロを指導。現在は東京都の井山ゴルフ練習場でアマチュア向けレッスンを行う。古今東西のスタープレーヤーのスイングに精通するレッスンプロ。