原英莉花は最終日に伸ばせなかった(撮影:GettyImages)
<ISPS HANDA スコットランド女子オープン 最終日◇26日◇ダンドナルド・リンクス(スコットランド)◇6543ヤード・パー72>同組で回ったジェニー・シン(韓国)が目の前で10年ぶりの勝利を決めると、原英莉花は祝福に駆け寄った選手からペットボトルの水をもらい、一緒にウォーターシャワーに参加した。それは最終日最終組のひとりとしてプレーしたからこそ訪れた時間でもある。
【写真】原英莉花がシブコのほっぺをぷにぷに
「刺激になりますね」。次は祝福を受ける側に、という言葉をかけられると「頑張ります」と言葉を振り絞った。トータル1アンダー・8位タイは、米ツアー自己最高位。ただ、その感想は「不思議ですね。うれしく…ないです」と言って笑う。「(トゥデイ)イーブンで回れていたら評価できたと思うんですけど、最終ホールに入る時に5オーバー。そのスコアはいただけないですね」。ここまでの3日間はアンダーパーを積み上げてきたが、最後はリンクスの難しさを改めて痛感する日になってしまった。ティショットを右のラフに入れ、5メートルのパーパットを外した1番から、流れが作れなかった。3番、6番ではバーディを奪ったが、17番までに7つのボギー。「バーディを取りたい気持ちはあっても、うまくいかないショットとパッティング。パーセーブできなくなって、本当に…“ハァ~”って感じでした」。テレビインタビューでは「バーディが絶滅危惧種になってきた」と表現するほど、苦しい18ホールでもあった。なかなかリズムを整えることもできない状況だった。一呼吸置きたいところでも、ホール間の移動などで小走りすることを余儀なくされた。組のペースが上がらず、13番のティショット後には『あと1回でペナルティ』ということも告げられる。本人は「7番、8番でパーセーブできなくて焦り始めて、慎重なプレーになった」と自省するが、選手のプレーペースがかねて課題に挙がり続けている“米ツアーの洗礼”とも言える。それでも最終18番パー5では、果敢に2オンを狙い、18メートルのイーグルパットはカップをかすめるようなナイストライ。「先々週までの自分だったら(バーディパットを)外していたかもしれない。ずっと嫌だった1.2メートルのフックラインだったので、入ってよかったです」。バーディは絶滅していなかった。推薦で初出場だった2024年は悪天候のなかでプレーし、予選落ちに悔し涙を浮かべた。「ここに来るのも(恐怖で)ドキドキしていた」と話していた2度目の挑戦で、米ツアー初の最終日最終組の座を射止めたのは不思議な縁だ。「このコースで最終日にここにいられたのは自分的には奇跡だと思っていた」とも話す。だが、「自分のプレーがかみ合わず、ボギーが続いちゃった」と、やはり最後は反省の弁が口をつく。30日からは今季メジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英、ロイヤルリザム&セントアンズGC/イングランド)に出場。5年ぶりに戦う全英で、再びリンクスと対峙する。「きょうは疲労よりもやる気に満ちて終わることができたので、来週に向けても切り替えられそう。ひさしぶりなので楽しみたいと思います」。気分も新たに、しっかりと前を向く。このダンドナルド・リンクスへの苦手な気持ちは多少はやわらいだかと聞かれると、「ならないでしょ。絶対にならない。難しすぎる」と言って、明るく笑った。本当のリベンジは来年に。そのための確かな一歩は踏み出せたはずだ。(文・間宮輝憲)