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松山英樹のスイングは「早めのコック&タメない」のが特徴! 飛距離と方向性を支える秘密を深掘り

2026/07/27 12:00

松山英樹の飛距離と方向性を支える秘密はバックスイングだった(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

「マスターズ」を制し、PGAツアー通算11勝を誇る松山英樹。300ヤードの飛距離を生むスイングをプロコーチ・阿河徹氏が詳細に分析し、アマチュアが参考にしたいポイントを解説してもらった。 【連続写真】早めにコックを入れて上げて、早めにリリースする 松山英樹の300ヤードスイング ◇ ◇ ◇松山英樹プロのスイングから感じるのは、長い年月を経ても揺らぐことのない一貫性です。トレンドを取り入れながらも、根底にあるスイングの哲学は学生時代からほとんど変わっていないと思います。バックスイングで私が注目するのは、コックのタイミングです。早めにコックを入れる、いわゆるショートバックスイングのような動きですが、決定的なのは「手元とクラブを体の裏側に入れない」ことです。あくまで体の正面でコックを入れるアーリーコック型。この点は昔から変わっていません。そして、右ヒザの角度を保ち、下半身で作る安定した台形の形を崩さないこと。ボールと上体の関係性を変えずにバックスイングを作ることも、一貫して守られてきた彼の哲学でしょう。一方で、徐々に変化してきた部分もあります。若い頃は右足にしっかり体重を乗せる印象がありましたが、現在はその場で回転する意識がより強くなっています。ボールと上半身の関係を大きく変えずにバックスイングを行う動きは、現在のトッププレーヤーにも共通しており、松山プロもその流れにうまくアジャストしています。現在のスイングは、キャリアを通じて最もフラットな軌道で、なおかつコンパクトになっているのではないでしょうか。軌道がフラットになったことで、腕のポジションも自然とインサイド寄りに収まっています。これは偶然生まれた変化ではありません。松山プロはクラブを柔らかくしならせて使うタイプではなく、余計なしなりを使わず「クラブを立てて振り下ろす」ことを優先するプレーヤーです。フリートウッドやシェフラー、フィッツパトリックのようにクラブを積極的にダウンで寝かせてしならせるタイプとは明らかに異なります。クラブを寝かせないぶん、腕の軌道をインサイド寄りにコントロールすることで、クラブもインサイドから下りる軌道を確保しているように感じます。ダウンスイング以降の動きは、ローリー・マキロイに近いタイプです。左足をしっかり踏み込みながら、リリースしてボールをつかまえる。他のプレーヤーのように全身が流れるように回転するのではなく、壁を作りながらインパクトでボールをつかまえる瞬間を明確に作っています。ただし、松山プロはリリースのタイミングが比較的早く、タメを深く作るタイプではありません。私は、このことがアイアンのタテ距離の精度の高さにつながっていると考えています。急激にフェースを返すのではなく、早めにリリースしてスムーズにボールを送り出すことで、ピンを狙える高い精度を実現しているのです。クラブを立てて振り下ろすタイプだからこそ、早めのリリースによってフェース向きを安定させ、方向性を高めているのだと思います。■松山英樹まつやま・ひでき/1992年生まれ。愛媛県出身。2013年に国内ツアーで賞金王となると、翌年から米ツアー参戦。2021年にアジア勢として初めて「マスターズ」を制覇。PGAツアーでの勝利数は「11」を数える。レクサス所属■解説:阿河 徹あが・とおる/1976年生まれ。藤本佳則や塩見好輝ら数多くのツアープロを指導。現在は東京都の井山ゴルフ練習場でアマチュア向けのレッスンを行っている。古今東西のスタープレーヤーのスイングに精通するレッスンプロ