涙の初優勝を挙げた加藤麗奈。19歳の未来は大きく広がった(撮影:上山敬太)
<大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日◇26日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6485ヤード・パー72>「負けず嫌い」。自身の性格をそう表したのは、プロ2年目でツアー初優勝を飾った加藤麗奈だ。この気質こそが、今大会の勝利につながった要因の一つと言っていいだろう。今大会期間中の取材では、19歳という若さながら冷静な受け答え、プレー中も表情を崩さず平常心を貫く姿が印象的だった。
【写真】大粒の涙を流す加藤麗奈
初日にツアー自己ベストを更新する「67」で12位発進。2日目には、その記録を大きく上回る「64」をマークし、単独首位に躍り出た。3日目も「67」と伸ばして首位をキープすると、最終日は5バーディ・1ボギーの「68」で逃げ切り、勝利をつかんだ。「やっと終わった、やっと勝てた」と安どと喜びがあふれ、その場で涙を流し、キャディと抱き合った。2日目終了後には、こんな思いも口にしていた。「同い年の子がめっちゃ活躍している。福田萌維(めい)ちゃん、鳥居さくらちゃん。そういうのは刺激になりますし、“負けてらんないな”っていうのはあります」。優勝会見では『“先に勝ったぞ”という意識はありますか?』という問いに、即座に「あります」と言い切った。これからは追われる立場となるが、「今後、誰が優勝するかは分からないですけど、最終的にポイントとかでは負けたくないなっていうのはあります」と力強い眼差しを向けた。さらに、勝利への原動力には同期の存在もある。「同期の方が本当に上手な選手ばかり。ルーキーイヤーに荒木さんも入谷さんも優勝されていますし、年齢もお二人とも1つ上なので、すごく近くて、そこでまず刺激をもらっていた」と明かす。プロ1年目はQT104位の資格でスタートし、主戦場は下部のステップ・アップ・ツアーだった。それでもルーキーイヤーで初優勝を挙げ、今季はQT7位でレギュラーツアーに参戦。しかし、「QTで成功して、そこから予選でいっぱい落ちちゃって、ここ5戦で4日間の競技が連続してあるので、たくさんポイントを取りたいなと思っていた。苦しすぎて、通っても下位にしか行けなかったので、一番つらかった」と明かした。今大会前までに出場した18試合で8度の予選落ち。「ブリヂストンレディス」の17位が自己ベストだった。「今年レギュラーツアーに出場させていただいて、自分のなかではレギュラーツアーのルーキー選手みたいな感じの意識。ルーキーで入ってきた藤本(愛菜)さんもすごく上手で、ずっと上位にいる。そういうのを見ると“負けたくないな”と、すごく燃えるタイプです。そこは毎試合、意識していました」。負けたくない、勝ちたいという強い執念がこの結果を引き寄せた。そして、今季どうしても達成したかったのが、10代での優勝だった。「私は3月生まれなので、まだ今シーズンはチャンスがあるなと思っていました」。その願いを現実のものとし、19歳143日でツアー初優勝。櫻井心那(19歳139日)に次ぐ史上14番目の年少記録となった。櫻井は2023年シーズンに史上3人目となる10代4勝を達成している。加藤の誕生日は3月5日。“負けず嫌い”な19歳には、その偉業に挑む時間が、まだ残されている。(文・高木彩音)