渋野日向子は歴代覇者として臨む(撮影:ALBA)
<AIG女子オープン 事前情報◇28日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド)◇6601ヤード・パー71>初出場だった2019年の全英制覇から7年。渋野日向子にとって英国は、いつになっても特別な気持ちがこみ上げてくる地だ。
【写真】笑顔の渋野日向子さんがお出迎え
「AIGさんにはスポンサードしていただいてるし、専用の駐車場(チャンピオンパーキング)やチャンピオンのロッカーがあったり、ここでしか味わえないものが多いので、毎年、帰ってくると感慨深いですね」22年には優勝争いに加わり3位に入った。一方、直近3年間は予選落ちが続き、悔しい思いもしている。それだけに“今年こそは”の気持ちは強い。出場者バッジにも“Champion”という文字が刻まれており、それを見せて「チャンポン。黄色のチャンポンです」とおどける。優勝からの7年間では浮き沈みも経験しているが、やはりこの会場では「楽しい」が一番にやってくる。日曜日、月曜日と18ホールずつプレー。開幕前日の29日(水)はプロアマで18ホールを回り、ここを最終確認の場にする。月曜日には10年、11年大会で連覇を成し遂げた元世界ランク1位のヤニ・ツェン(台湾)と練習ラウンドをともにした。「私が先に(練習ラウンド予約表に)名前を書いていたんですけど、隣にヤニの名前があって“ヨシッ!”って。お会いするだけでいいインスピレーションをもらえるというか、幸せな気持ちになれる選手です」。そんな刺激も、大会への重要な“スパイス”になる。3週前の「アムンディ・エビアン選手権」を16位で終えて一時帰国。「気合が入る」大会へ向けて、日本で調整を積んできた。もちろん、エビアンと今回のリンクスでは、求められるものは大きく異なる。それでも「傾斜地での体の感覚や、パッティングとか課題はたくさん(エビアンで)できたので、そこに対しての体のつくり方とかを大事にしてきました。風もあるので、体の芯にも気をつけながら」。あとは会場で入念な準備を続けていく。舞台となるロイヤルリザム&セントアンズGCでは、170個以上のポットバンカーも脅威になる。「リンクスってバンカーが多いもんだと思ってたけど…やっぱり多い」と警戒。さらに「傾斜によって、いろいろな方向に(ボールが)キックするから、運だなと。運も味方にできるようにはしたいけど、一喜一憂しないように」と話す。ただ、何よりも攻略のカギを握るのは、強風との付き合い方。「毎回言ってるけど、風と友達になれるように」。そのためには、風の抵抗を少なくする低い球も必要になってくる。「去年とかより、自分のスイングのコントロールは、なんか“気合で!”みたいな感じではなくなっている。気合も大事だけど、それ以外の部分も去年よりはあると思っている」。日々の取り組みから得られた自信もある。ギャラリーゲート近くでは、スマイル全開の渋野の写真が使われた大きな看板が観客を出迎える。前年覇者の山下美夢有の写真も、そのゲート内に大きく飾られているが、歴代覇者としてその存在感は今年もひときわ目を引く。「パンフレットに載っているすごい選手たちの中に、私の写真もあるのはめちゃくちゃありがたい。また新たに(写真を)載せてもらえるように。載れるように頑張りたい」。歴代覇者としての誇りと挑戦の思いを胸に、渋野にとって8度目となる全英が、間もなく幕を開ける。(文・間宮輝憲)