荒木優奈にとって全英は初出場(撮影:ALBA)
<AIG女子オープン 事前情報◇28日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド)◇6601ヤード・パー71>今年も全英に“滑り込み”の選手がやってきた。直前に出場権を得て、日本からドタバタと英国に渡ってくる選手たちの姿は、もはや大会恒例の光景ともいえる。ただ、プロ2年目の荒木優奈は“不退転の覚悟”を持っての渡英だった。
【写真】会場では笑顔の渋野日向子さんがお出迎え
まだ繰り上がりの当落線上にいながら、先週の日本ツアー「大東建託・いい部屋ネットレディス」を欠場。しかも、吉報を待つだけではなく、すでに行動に移していた。「行けると思って、飛行機の手配をしてました。もうお金を払ったし、出られなくても(現地)ウェイティングをして、出られる時のために準備しようと。出発するために(大東建託を)お休みさせてもらいました」2週前の「明治安田レディス」の週に、ホテルを含めたすべての予約を済ませたという、いわば“ギャンブルスタート”。24日(金)の渡英を決めていたのだが、その出発当日に出場権がおりてきたことを知らせるメールが届いたのは幸いだった。「本当によかったです。ただの旅行になるところでした」。なんの心配をすることなく、機上の人となった。欧州では珍しくないロストバゲージ対策として荷物にエアタグをつけるなど、準備は万全だ。移動だけでなく、コースでも余裕を持った調整を進めている。日曜日から練習ラウンドを開始し、月、火といずれも9ホールをプレー。リンクスの感触を確かめた。強風やポットバンカーとの戦いのため、「ティショット」をカギに挙げる。「狙いをしっかり定めてから打たないといけない。日本ならフェアウェイの真ん中に打てばいいけど、それではダメ。ざっくり打てないのは難しい」。国内ツアーで62.9073%、72位のフェアウェイキープ率は大きな課題。ここでは、その精度がさらに求められる。一緒に練習ラウンドを回った海外選手とは、飛距離の差を感じた。「こっちの人は(ティショットから)刻む人が多かったけど、その後、短い番手で打てる。私は刻むと長い番手が残って、グリーンで(ボールが)止まらない。ティショットを頑張ります」。ドライバーを多用する決意を固めている。6月「全米女子オープン」に続き、自身2試合目のメジャー出場。全米は予選落ちしているだけに、まずは4日間戦い切ることを目標に掲げる。「全米で落ちてから、こっち(全英)に出られるように世界ランクを上げようと頑張ってきた。うれしいし、楽しみながらだけど、結果も残したい。日本ツアーでのポイントにもなるし頑張りたい」。また、全米出場時にはこんな“苦い思い出”もある。「めちゃめちゃ赤字でした。少なくとも黒字で帰りたいですね」。円安の影響で1ポンドは218円(28日現在)。かかる経費も“メジャー級”だ。ただ、節目の50回大会となる今年の賞金総額は1000万ドル(約16億4000万円)。昨年から25万ドルの増額で大会史上最高となっただけに、見返りは大きい。“旅行”ではなくなったため、現地ではゴルフ場とホテルの行き来のみ。しっかりと臨戦態勢に入っている。28日には出身地の熊本県で最大震度7の地震が発生したというニュースを聞いたが、震源から外れた地域のため、家族の無事を確認できた。今季最後のメジャーで、現在メルセデス・ランキング4位につけている実力を発揮したい。(文・間宮輝憲)