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炎天下で選手が魅せた熱戦 懸命に感じた大会側の暑さ対策【現地記者コラム】

2026/07/31 11:55

加藤麗奈は、優勝を支えたキャディに氷のうを当てていた(撮影:上山敬太)

記者として4年目を迎える筆者にとって、今大会は初めての取材だった。以前から「暑さとの戦いになる」と聞いていたが、実際に1週間現地で取材し、その厳しさを身をもって体感した。 【写真】大粒の涙を流す加藤麗奈 大会を終えて率直に感じたのは、『選手たちの強さ』だ。初日から連日、最高気温は35度前後。ロープ外で取材する記者でさえ汗が止まらない。日陰の少ないフェアウェイを歩き続ける選手たちの過酷さは、想像に難くなかった。選手たちはそれぞれの方法で暑さや紫外線への対策を講じていた。女子プロならではと感じたのが、夏仕様のメイクだ。小祝さくらや蛭田みな美は、ファンデーションを塗る前の下地の段階で日焼け止めを重ね塗りするなど、工夫を凝らしていた。小祝はプレー中に日焼け止めを塗り直さないという。「メイクするときにしっかり日焼け止めを塗ります」と話していたように、あの美肌は徹底した下準備によって支えられていた。それを聞いた筆者も参考にし、翌日から日焼け止めを重ね塗りするようにした。ホステスプロの都玲華は、ラウンド中に氷のうを最大3つ持参。首や肩、脇、太ももの付け根などを冷やしながら、扇風機や日傘も活用し、パフォーマンスの維持に努めていた。 大会側の暑さ対策からも、“選手想い”の姿勢が随所に感じられた。昨年から第1組のスタート時刻を午前6時に設定。初日にトップスタートだった中村心は午前2時50分に起床し、同4時には会場入り。暗いうちから練習を始めてティオフを迎えた。6時台の気温は26~28度。それでも「涼しい」と感じられるほどだった。コース内には全ホールにドリンクを冷やすための“どぶづけ”が配置され、アウト、インそれぞれ2カ所ずつ、計4カ所に氷のう用の氷も用意された。都は「だいぶ、ありがたかったです。クーリングタイムも設けてくださりましたし、氷のうの氷もすぐに変えられたので、とても助かりました」と感謝の思いを口にした。 さらに、1オンチャレンジホールで前の組を待つ時間が発生しやすい5番を含めて、計13ホールのティイングエリア付近に日除けテントを設置。そのうち4ホールにはミストシャワーも備えられた。組が詰まると、選手たちがそこで体を休める姿も見られた。救護室には経口補水液や体温を下げるための霧吹きなどが用意され、救護スタッフがコース内を巡回。大会側の手厚いサポートと、それに応えるような選手たちの懸命なプレーが印象に残った。 今大会は激しいバーディ合戦となり、4日間のバーディ総数は大会史上最多の『1553個』を記録。大会平均スコアも『69.6570』と、ハイレベルな伸ばし合いとなった。その要因の一つが、多くの選手が口をそろえた「やわらかいグリーン」だった。グリーンの硬さを測るファームネスメーターは、数値が大きいほどやわらかいことを示し、ツアーでは200台前後が一般的とされる。今大会は初日『388』、2日目『386』、3日目『421』、最終日『409』を記録。過去には2025年「ニトリレディス」3日目の『452』、最終日の『420』、「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」3日目の『419』があり、今大会はツアー史上4番目にやわらかいコンディションだった。選手からは「ウッドで打ってもランがほとんど出なかった」という声も聞かれた。長い番手でもキャリーした地点で止まり、ウェッジでは大きくスピンバックする場面も目立つ。多くの選手がピンを積極的に攻め、高精度のショットでチャンスを量産し、ギャラリーを沸かせた。 大会名物の1オンチャレンジホール、5番パー4にも多くのギャラリーが詰めかけた。4日間で1オンに成功したのは166人。そのうち29人が1パットで沈めてイーグルを奪った。今年の「リゾートトラスト レディス」でホールインワンを達成した政田夢乃も、カップまであと1ヤードに迫るスーパーショットを披露して大歓声を浴びた。 大会を制したのは、「負けず嫌い」と自身を表現する19歳、プロ2年目の加藤麗奈。ツアー自己ベストの「64」をマークした2日目に単独首位へ浮上すると、そのまま逃げ切ってツアー初優勝をつかんだ。「やっと終わった、やっと勝てた」。安どと喜びが入り交じる涙を流し、キャディと抱き合う姿が強く印象に残っている。炎天下で熱戦を繰り広げた選手たちの強さには、心から敬意を表したい。同時に、その舞台を支えた大会側の懸命な取り組みに対しても、胸が熱くなる4日間だった。(文・高木彩音)