鳥海颯汰がプレーオフを制し大会初優勝を挙げた(撮影:ALBA)
<岩手県オープン 一日競技◇8日◇きたかみカントリークラブ(岩手県)◇7090ヤード・パー72>東北最大級の男子トーナメントとして知られるツアー外競技「岩手県オープン」は今年も多くのギャラリーが詰めかけ、熱気に包まれた。大会初出場の25歳・鳥海颯汰が、大会コースレコードを更新する「63」をマーク。9アンダーで並んだ岩男健一とのプレーオフを制し、優勝をつかんだ。ウイニングパットを沈めると、静かに拳を握りしめた。
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「初出場、初優勝でうれしいです。ショットが絡んでいて、バーディパットもたくさん打てていたので、きょうは自分のなかで納得のいくプレーができたと思います」と振り返る。勝因の一つとなったのは、大会前日の練習ラウンドでともに回り、ホールアウト後には祝福のウォーターシャワーをかけてくれたシニアプロ・中山正芳の助言だった。「ボールはスピンも大事だし、コントロールすることが大事だから自分が理想とする高さを選んだほうがいいよ」(中山)。「生命線」ともいえるアイアンショットのタテ距離に悩んでいた鳥海にとって、この言葉は大きかった。「パッティングの影響にならなければ変えてもいいんじゃないか」という後押しもあり、契約するタイトリストのボール『プロV1xレフトダッシュ』から『プロV1X』へ前日にスイッチ。もともとV1Xは昨年のQTまで使用していたが、その後のケガで感覚が変わり、プロV1xレフトダッシュへ一時変更していた。ただ、今年7月には「戻したほうがいいのかな」と再び迷いもあった。そんななかでの決断が奏功した。「それがかなりよかった。きのう(前日)の後半からピンに絡むようになって、“きょうは行けるかな”と思ってスタートしたらバーディ、イーグルで『おー行けるぞ』みたいな。ノーボギーだったので、自分のなかではかなり手応えがあったなと思います」。もともと感覚を重視し、ボールを替えるタイプ。今回の選択は今後へ向けた大きな指針にもなった。鳥海は2000年生まれの25歳。北海道出身で、桂ゴルフ倶楽部に所属する。2020年4月にプロ転向し、初のシード獲得を目指して戦っている。昨年のQTはサードに終わり、今季は下部ツアーの出場機会も限られるなか、6月の「北海道プロゴルフ選手権」、「山梨県オープン」でもプレーオフを制しており、ツアー外競技ながら今季3勝と存在感を示している。プロとしての最大目標は「4大メジャーに出ること」。同じ北海道出身の先輩・片岡尚之が昨年の「日本オープン」優勝資格で今年の「マスターズ」、「全英オープン」に出場した姿は大きな刺激となった。「続けられるように。出たいです」と力を込める。まずは国内で結果を積み重ねることが第一歩だ。そのためにも、今季のファイナルQTでは「優勝目指して」戦う覚悟。さらに、9月の国内男子ツアー「ANAオープン」(北海道)出場も決まっており、「地元なので。そこでもちゃんと成績を残して、優勝できるように頑張りたい」と地元Vへ闘志を燃やした。(文・高木彩音)