9年ぶり復活Vを果たした永井花奈が使う練習用のふにゃふにゃシャフト(撮影:ALBA)
青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、好調な選手や注目選手の強さのヒミツを解説、女子ツアーでの流行など現場からのホットな情報をお届けする。今回は9年ぶりの通算2勝目を挙げた永井花奈が重宝する練習器具を拝見した。
【連続写真】軟らかいシャフトを打ちこなす永井花奈のスイング
◇ 今年7月の「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」で、約9年ぶりとなるツアー通算2勝目を挙げた永井花奈。2017年に初優勝を遂げてから2度のシード落ちを経験しており、昨季は2年ぶりにシード権を取り戻した。今季は序盤から何度も優勝争いを繰り返し、見事な復活ロードを歩んだ。 練習日やスタート前の永井のキャディバッグには、多くの練習器具が入っており、練習や準備からこだわりを持っている。そんな練習器具の一つが、フジクラが展開するピンク色で目立つふにゃふにゃの軟らかい練習用シャフト「MCI PRACTICE Iron」を挿したアイアンだ。 ワッグルするだけでヘッドがビヨンビヨンと動く。永井はそのピンクのシャフトを普通のアイアンのように振り、快音を響かせる。話を聞くと「風が強い日のラウンドでボールを抑える動きをするのですが、体が突っ込むクセになるのでそれを修正したり、スイングリズムを整えるために使っています」と教えてくれた。 軟らかいシャフトについて大西コーチは次のよう解説する。「軟らかいシャフトは、自分が思っている以上にしなります。曲がり切る前に切り返すと、しなり戻りが使えずに、フェースも真っすぐ戻ってこないのでうまくミートできません。体が悪い動作を入れた瞬間にボールは曲がります。軟らかいシャフトを使いこなせれば、正しいシンプルな動きができているということになります」。 スイングリズムが速すぎたり、切り返しで上体が強いなどのエラーがあると、うまく当たらない。逆にうまく打てれば、いいリズムで正しい動きができていることになる。正しい感覚を通常のクラブでも再現すればショットが安定する。 「ゴルフクラブはシャフトの延長線上よりも後ろに重心がある、偏重心です。うまく使いこなすためにリズムとテンポが大事です。スイングの動きとしては、上体は回転運動、下半身は直線運動になります。軟らかいシャフトを打っていれば、ゴルフスイングに必要な動きを身に着けられますし、余計なクセはつきません。シンプルな形を取ることでフェース面の管理、クラブの重心管理ができるので、飛んで曲がらない形が作れるようになります」とも付け加えた。 もちろんアマチュアにもオススメする練習器具の一つでもある。ただ、スイングの形が固まっていなかったり、リズムとテンポが良くない人は、最初はミスヒットが多くなる。うまく当てられない方は「クラブが動きたい方向に動くのを待たないといけません。いつものスイングで当たらない場合は、トップで1回止まるぐらいの感覚を持つといいでしょう」という。 普通のクラブに持ち替えても、同じリズムや動きで打つことで、その効果を発揮する。ラウンド途中に当たらなくなったと思ったら、このリズムを思い出してトップで一度止まる感覚を持つと、スイング修正もうまくいきそうだ。 ■解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務め、24年からは安田祐香のコーチングも行っている。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。大西翔太プロデュースの練習器具「Sho_izm(ショーイズム)」シリーズ(朝日ゴルフより全国のゴルフショップにて販売中)。豊富な知識を生かして、今年はテレビ解説も行うなど活躍の場を広げている。