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パットの距離感が悪い人は「脳みそでボールをコロがせ!」女子プロコーチが教える、目をつぶって打つ驚きの練習法 #四の五の言わず振り氣れ

2026/08/16 12:00

目をつぶって打ち、ボールが止まったと思ったら、そこで目を開けるドリル

2024年限りでツアーから撤退した上田桃子や、2025年のプロテストに合格した藤本愛菜、千田萌花らが所属する「チーム辻村」。そのチームを率いるプロコーチ・辻村明志氏に、パットの距離感が上達する方法についてじっくり話を聞いた。 【連続写真】ツアー随一との評価、申ジエの完璧ストローク ◇ ◇ ◇少し古い話ですが、今年5月に開催された国内メジャー大会の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で、出場選手がメジャーならではの高速グリーンに手を焼いたことは印象的でした。教え子である藤本愛菜プロも、高速グリーンに苦しんでいたようでした。パッティングにおいて最も重要なことは何でしょうか。ライン読み、ストロークと、いろいろな考え方があると思います。しかしボクは、距離感だと今大会で改めて思い知らされました。そこで試合終了後、ホームである鎌ヶ谷CCに戻ると、藤本プロとともにさっそくこんな練習を始めました。それは、目をつぶって打ち、ボールが止まったと思ったら、そこで目を開けるというものです。目を開けた瞬間にボールが止まれば、そのグリーンにおける距離感が合っている、ということになります。イメージしたボールのコロがるスピードと、実際のスピードが一致しているのでしょう。簡単な練習のようですが、やってみると案外難しいことが分かるでしょう。おそらく、目を開けるとボールがまだコロがっていたり、ボールが止まっても目を開けなかったりする人がほとんどだと思います。つまり、頭の中で距離に合ったボールをコロがせていない、ということです。そこでボクは選手たちに言いました。「芝の上でボールをコロがすんじゃない。頭の中で、脳みそでボールをコロがすんだ!」もちろん、立ち方や構え方、ボールの位置やパターの動かし方も重要です。しかし、その大前提になるのが距離感であり、脳みそでボールを、それも右脳を使って映像でコロがすことだと、ボクは確信したのです。考えてもみてください。5メートルくらいでキャッチボールをするとき、男性であればたいてい相手の距離まで投げられるでしょう。でも、そのとき、ボールの握り方とか、腕の動かし方などを考えません。違うと思います。無意識ではあるでしょうが、頭の中でボールを投げているのです。ボールが描く放物線を意識しているのです。日本の、特に古武道の世界では、「間」という概念が非常に重要視されています。「間に合う」「間違い」「間抜け」といった言葉は日常的に使います。もっと言えば、ゴルフのスイングにおいても、時間はリズムやタイミングのことでしょうし、空間はスイングプレーン。コントロールすべき体と心は、人間そのものです。そのすべてに入っている文字が「間」です。そのことを踏まえ、ボクは「間」という概念を非常に重要視してきたのですが、あるとき、師匠である故・荒川博先生がこんなことをおっしゃっていたのを思い出します。「『間』なんてことを考えているうちは、まだまだヘボだ」。正直、そのときはその意味が分かりませんでした。間はとても大事なのに……。先生の言葉に素直に耳を傾けられなかったのかもしれません。しかし今年の「サロンパスカップ」の練習グリーン上で、ボクはようやくその真意のかけらを見つけたような気がしました。脳みその中でボールをコロがすことができれば、「間」なんてことを考える隙もないのです。先生は「間をも体の中に取り入れてしまえ」。そうおっしゃっていたのではないでしょうか。距離感をイメージして目をつぶって打つ。そして、ボールが止まる瞬間にボールを見る。止まる瞬間がイメージできれば、距離感は生まれてきます。ゴルフに限って言えば、絶対的な距離感が体の中に育まれた瞬間なのです。ちなみに、これはショットでも同じです。自分のボールがどこに飛んだか見誤るアマチュアは多いのですが、それは、どこを(空間)、どのくらい(時間)飛んでいくのかをイメージできていないために起こる現象でしょう。どんなボールを打ちたいのかくらいはイメージすることができます。打ったボールは地面に着弾し、そしてコロがってボールが止まるまでをイメージしてみましょう。実際にボールを打つのは、その後です。この練習でもうひとつの効果を発見しました。それは、「頭を残す」という動きにつながることです。特にショートパットは、結果を知りたがるばかりに、カップ方向に頭が動きがちです。たまには自宅で目をつぶって打って、脳みそでボールをコロがし、体の中に距離感を育むといいですよ。■辻村明志1975年生まれ、福岡県出身。上田桃子らのコーチを務め、プロを目指すアマチュアも指導。2025年は千田萌花、藤本愛菜をプロテスト合格へ導いた。読売ジャイアンツの打撃コーチとして王貞治に「一本足打法」を指導した荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフ指導に取り入れている。元ビルコート所属。※『アルバトロス・ビュー』940号より抜粋し、加筆・修正しています