プレッシャーとともに戦った3日間。桑木志帆にとって貴重な経験になった(撮影:福田文平)
<NEC軽井沢72ゴルフ 最終日◇16日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6590ヤード・パー72>2週前の「AIG女子オープン」(全英)で海外メジャー初優勝を果たし、今大会が凱旋試合となった桑木志帆は、50位から最終日をスタート。ボギーなしの2バーディを奪って「70」をマークし、トータル4アンダー・42位タイで大会を終えた。
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練習日から多くの祝福の言葉を受け、メディア対応も続いた。初日には桑木の姿をひと目見ようと、大勢のファンが会場に詰めかけた。そうしたなかで「周りの見えないプレッシャー」を感じ、これまでにない緊張感を抱えてスタート。全英のリンクスコースとは全く異なるレイアウトやコンディションへの対応にも「全然できないですね」と苦戦し、60位発進となった。それでも技術面については「全体的に悪くないので、緊張しなかったら大丈夫だと思います」と前向きに話していた。2日目は「緊張は全くなかったです。いつも通り」と落ち着いた状態で臨んだ。「ショットはすごく安定していたんですけど、パターが全然入らなかった」と「71」でラウンド。一時は予選通過圏外に後退したが、最終的には決勝ラウンド進出を決めた。最終日もショットは安定していたが、課題のパットは思うように入らなかった。この日はアドレスを変えるなど調整を加えており、今後に向けて「練習して調整かなと思います」と前を向いた。改めて、凱旋試合として戦った3日間を振り返ると、「ギャラリーさんが多くて、久しぶりにたくさんのギャラリーの前でできたのはすごく楽しかったです」と笑顔を見せた。実は今大会を迎える前、同じ岡山県出身で、自身も全英制覇後の凱旋試合を経験している渋野日向子から連絡があったという。「多分いろんなことがあると思うけど、大変かもしれないけど頑張ってね」。桑木は先輩から届いた言葉を明かした。2019年の全英を制した渋野が、凱旋試合として迎えた「北海道meijiカップ」では取材規制が敷かれ、同年の「NEC軽井沢72ゴルフ」では、会場へ向かう道路で大渋滞が発生するほどの“渋野フィーバー”が巻き起こった。そうした経験をしてきた先輩からの言葉は、桑木にとって大きな支えになった。そして実際に、渋野と同じように凱旋試合ならではの重圧を味わった桑木。「同じような経験をしてどう思ったのか」と問われると、「やっぱり緊張感って、絶対、私にしかわからない。日向子ちゃんもそうですし、勝った人にしかわからないものが、やっぱりあるんだなって思いました」と振り返った。この3日間で味わった、これまでにない緊張感。桑木自身が「勝った人にしかわからない」と表現したその重圧からも、凱旋試合の難しさがうかがえた。国内女子ツアーはシーズン終盤に突入した。現在、メルセデス・ランキングは1位。狙うのは自身初の“年間女王”だ。「やるからには優勝を目指して毎試合頑張ろうと思いますし、(今週のように)成績が悪いなかでも、今回は最後までやり遂げられましたし、自分のやりたいことが少しできるようになってきたので、良くても悪くても最後まで一生懸命やりたい」。力を込めて、残りのシーズンを見据えた。(文・高木彩音)