細野勇策が一気に優勝戦線に浮上した(写真は日本プロ)(撮影:佐々木啓)
<Sansan KBCオーガスタ 3日目◇29日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7293ヤード・パー72> 現在ポイントランキング1位のレフティ、細野勇策が大会レコードを更新する「61」と爆発し、予選通過ギリギリの45位から一気にトータル15アンダーの3位タイに浮上した。7月末に左手首を痛め、まだ万全とはいえない状態。本人も驚きのビッグスコアだった。
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INスタートの序盤11番で5メートルを沈めてバーディを奪ったところから細野の快進撃は始まった。4つ伸ばして迎えた18番パー5は残り280ヤードから2オンに成功。7メートルのイーグルパットを沈めて、前半を「30」で折り返した。 後半に入っても着々とスコアを伸ばすと、終盤でバーディラッシュ。7番4メートル、8番はカラーから6メートル、9番2メートルと面白いようにバーディパットを放り込んだ。従来の記録はパー71だった時期を含めて、16度記録されていた「63」。これを一気に2打更新する異次元の猛チャージだった。 ただ、細野自身はホールアウト後も冷静だった。「予選ラウンドと変わらず、特に攻めたわけでもないので、そのなかでパッティングが入ってくれたらいいなぐらいの意気込みでスタートしたら、パットが入ってくれたという感じ。3日間の中ではいちばん納得のいくショットは少なかったと思います」。今大会での自身のベストスコアは「68」(2023年初日)。「芥屋に得意なイメージはなくて、パッティングに苦労する試合だったので、こんなに入ってくれたのはビックリです」と話した。 真夏の6週間の空き週は飛距離アップを目指してトレーニングに励む予定だった。ところが、左手首に痛みが出たため途中で断念。「病院には行ってないんですけど、腱鞘炎だと思います。今週は練習ラウンドをしていませんし、先週も思ったような練習はできませんでした。今週出るかどうか、ギリギリまで悩んだんですけど、出て良かったです」。ラウンド後の練習も控えていたが、「さすがに今日はやろうと思います」と笑みを浮かべた。 5月の「日本プロゴルフ選手権」で初優勝を挙げて以来、ポイントランキング1位の座を守り続けている。「まだシーズンは半分も終わっていないですし、勝ったのが(ポイントが大きい)メジャーだったというだけかな。これからもいい順位を積み重ねていければと思っています」。昨季は金子駆大が初優勝から賞金王へと駆け上がった。ツアーナンバー1の称号は今季からポイントランキング1位に移ったが、細野にはそれに続くチャンスが十分にある。 勝てば、リードを広げるだけでなく、今季2勝目一番乗り。「今日のようなラウンドができればいいんですけど、なかなかそうはいかないので、着実にスコアを伸ばしていければいいかなと思います」。日本人では35年ぶりにツアー優勝を果たした“レフティの星”が、ギリギリの予選通過から大逆転のドラマを完成させる。(文・田中宏冶)