イ・サンヒが亡き父に捧げる初優勝(撮影:ALBA)
<Sansan KBCオーガスタ 最終日◇30日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7293ヤード・パー72>日本ツアー参戦14年目、これまで8度の2位があったイ・サンヒ(韓国)がツアー初優勝を飾った。日韓両ツアーでシードを維持する実力者。韓国ツアーではすでに来季のシードを確保しており、シーズン後半は日本ツアーに軸足を置く考えを示した。
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8度目の2位を経験した先月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」でサンヒは優勝への手ごたえを感じていた。「これまで優勝という結果を欲しがっていたけど、目の前のショットをどう打つかを目標にして、それが実践できて、これを続けて行けば勝てるかもと思いました」。勝てそうな予感はすぐに現実のものとなった。過去4勝を挙げている韓国ツアーを含めても9年ぶりの優勝。「泣くんじゃないかと思っていた」という予感は外れた。ウイニングパットを沈め、勝利の喜びとともに押し寄せてきたのは「日本語でスピーチしなくちゃ」というプレッシャー。実際のスピーチを100点満点中2点と厳しく自己採点したチャンピオンは、「もっとカッコよくスピーチしたいと思ったので、勉強するいいきっかけになりました」。ちなみに、これらは通訳を交えての記者会見でのコメントだ。もっと日本語が堪能なら、スピーチで話したいことがあった。2023年1月に父が他界。自身の結婚のわずか1カ月後のことだった。「23年はシードを落として、QTに行った苦しい1年でもありました。それでも、優勝トロフィーを持って父の墓参りに行くんだと自分自身に約束して、それを目標に頑張ってきました」。日本ツアー参戦当初はマネジャーとしても、キャディとしても支えてくれた父にようやく優勝を報告することができる。日本ツアーはこれが今季6試合目。一方、韓国ツアーには9試合出場している。今後のスケジュールについて尋ねると「優勝したことでベイカレントに出られる可能性もあるし、韓国ツアーの来季のシードは確保したので、後半戦は日本の試合に重点を置くと思います」。10月8日から横浜CCで開催される米ツアー「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS」の出場資格は9月末のポイントランキング上位6人。サンヒは今大会の優勝で7位に浮上した。コロナ禍をきっかけに、日本ツアーを離れた韓国人選手も多かったが、サンヒは「ボクは日本で優勝するために残りました」。通訳兼マネジャーから「もう目標は達成したね」と冗談交じりに突っ込まれると、笑顔で「まだまだここからです」とさらなる活躍を誓った。(文・田中宏治)