臼井麗香が自身の状況を赤裸々に告白した(撮影:鈴木祥)
「楽しめました。体調は不安しかなかったです。推薦のお話をいただいたとき、こういう状況で申し訳ない、成績で迷惑をかけるかもしれないという不安もありました。でも、ファンの人がすごく心配していたから、『大丈夫だよ』っていうのをアピールしたかったんです」
【写真】まさにアイドル! ランウェイを歩く臼井麗香
7月に緊急手術を受けた臼井麗香が、約1カ月後の「ニトリレディス」でツアーに復帰した。初日は1アンダーと好スタートを切ったものの、第2ラウンドで「78」を喫してトータル5オーバー・77位タイ。予選通過はならなかったが、釧路のギャラリーに元気な姿と笑顔を届けた。6月「EARTH MONDAMIN CUP」を体調不良で棄権。腹部の違和感が続いていたが、急変したのは7月前半だった。「痛すぎて動けなくなりました。どうにか病院にいったら、『すぐに手術しないと危ない』と言われました。もともと病気を持っていたわけではないし、理由は分からないです」。内臓から出血し、血が溜まっていると診断され、緊急手術を受けた。約1リットルの血を抜く処置を行い、1週間ほど入院した。8月前半には運動再開の許可が出たものの、「運動とはいえ、お腹を切っているので、ねじるのが痛くて痛くて…」。“8時4時”の振り幅ですら体を回すことができず、パターをするのが精いっぱいだった。術後は貧血気味だったということもあり、夏真っ盛りの炎天下での練習は、体への負担が大きかった。パター練習は早朝4時半から開始。初めてクラブを握ったのはお盆が始まったころだった。出場推薦をもらったニトリに対しても、「こういう状況でどうなるか分からない」と伝えたが、『それでも』と温かく受け入れてくれたという。ギリギリまで出場を悩んでいたが、月曜日と火曜日にそれぞれハーフを回り、なんとか初日のティイングエリアに立った。隣には頼りになる家族、妹の蘭世がキャディとして寄り添った。中断などの影響もあり、36ホールを3日間でプレー。残り130ヤードから9番アイアンでショットインイーグルを奪う見せ場もつくり、「(体は)痛かったけれど、アドレナリンが出ちゃっているから訳がわからなくなっています」と笑った。カットライン上で迎えた最終9番では、ダブルボギーを喫した。「最後、パーだったら予選を通っていたかな…。ティショットで木に当たって、できるだけ飛ばそうとムリをしたら、深いラフから抜けなかった。できることはやりました」。満身創痍の状態でも、体のことを忘れ、一打でも少なく上がろうと戦った。そこには、やはりプロゴルファーとしての矜持があった。今後については「考えながら、無理しないように」と話し、ツアー出場などは未定。まずは焦らず、体と向き合いながら歩みを進めていく。(文・笠井あかり)