前半をハーフベストの29で回った出利葉太一郎(撮影:ALBA)
<Shinhan Donghae Open 初日◇10日◇ジャック・ニクラス GC(韓国)◇7502ヤード・パー72>プロ3年目の25歳、出利葉太一郎が初めて訪れた韓国の地で好スタートを切った。2イーグル・4バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「67」で回り、5アンダーで上位につけた。
【写真】平均飛距離312yの出利葉太一郎が選んだ1W
前半は自身の9ホール最少スコアを更新する「29」をマーク。舞台となるジャック・ニクラスGCは、すべてがベント芝のコンディションに加え、池やバンカーが絡む狭いフェアウェイが特徴。グリーン上も細かな傾斜が多く、ラインが読みにくい。屈指の難易度を誇るコースだ。そのなかで好スコアにつながったのは、1度しかフェアウェイを外さなかったティショットと、練習日にベント芝対策に力を入れたアプローチのおかげだ。1番からスタートし、3番パー5では40ヤードのアプローチを入れてイーグルを先行。続く4番でバーディを奪うと、6番では12ヤードからチップインバーディ、7番パー5でも奥からチップインイーグルを決めた。そのときは「きょう、なんかおかしい。ちょっとこわかったぐらい」と、次々と決まるアプローチに自身でも驚いた。この日のチップインは合計4回だった。9ホールで7つ伸ばしたときの心境を「ちょっとふわふわしたというか、こわいというか」と振り返る。後半は池に入れてダブルボギーを喫するなど苦戦したが、「よくも悪くも、すごく新しい経験。前半20台というのもそうですし、海外でっていうのもそうですし。後半は結果的にスコアは良くなかったですけど、またすごくいい経験をしている」と前向きに受け止めた。アプローチでは、火曜日に、契約するキャロウェイのスタッフと打ち方を模索した。「日本のコーライとは違って、どれだけきれいに(ボールへ)コンタクトできるのかがすごく重要。体重の配分だったり、いろいろ考えています。まだ試行錯誤中ですが、そこをすごい重点的にやっていたので、すぐに効果が出たのはちょっとうれしい。自信にしてやっていきたい」。わずか2日前から取り組んだことが早速成果につながり、手応えを得た。そして「もっともっとプレッシャーがかかった時にどういうエラーが起きるのか、どういう成功ができるのかというのもすごい楽しみ」と、さらに向上心に火がついた。今季は自身初のシード選手としてシーズンを戦っている。昨年まではスポット参戦だったが、すべての試合に出場できるようになったことで課題も浮かび上がり、その対策にも取り組んでいる。それはすべて、「将来的に向こうのPGA(ツアー)だったり、いろんな芝があると思うので、そこにうまく対応できるような打ち方に取り組んでいます」と、目標とする世界の舞台で戦うための準備でもある。今年の米下部、コーン・フェリーツアーで初優勝を挙げた、同じ日大ゴルフ部OBで同級生の杉浦悠太の活躍からも刺激を受けている。「優勝争いをできるだけ多くしたい」。初優勝に向けて、積み上げたい経験がある。6月の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」では最終日最終組で優勝争いを演じたが、スコアを伸ばせず6位と悔しさをにじませた。しかし、その経験が今につながっている。「ツアー選手権が終わってから、いい組で回らせてもらえる機会が増えている。上手い日本の選手と回る機会が増えているので、学ぶべきところが多くて、自分もそこについていけるようにしたい。JGTOに感謝しています」と話し、その目は輝いている。初優勝へ向けて好発進を決めた韓国での一戦。まずは決勝ラウンドに向けて好位置をキープしたいところ。「一打、一打、頑張りたい。こうやって新しい経験が僕をまた強くしてくれる。スコアに惑わされないように、自分のプレーだったり、過程に注力したい」と力を込めた。(文・高木彩音)