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ゴルフの早熟化で宮里藍が心配すること「ゴルフだけガッと成長してしまって…」

2026/09/16 14:30

宮里藍がジュニア大会を開催した(撮影:ALBA)

日米通算23勝の宮里藍が主宰するジュニア大会「宮里藍インビテーショナル Supported by SUNTORY」が、12日から3日間にわたって開催された。 【写真】宮里一家が大集合! 36ホールのストローク競技が行われ、上位5人には来年の国内女子ツアー「宮里藍 サントリーレディス」の主催者推薦選考会出場権が与えられた。だが、このジュニア大会のメーンは、決してこの切符争いではない。宮里自身のキャリアを支えたメンタルトレーニングメソッド『Vision54』のレッスン会といえる。Vision54は、18ホールすべてでバーディを奪い『54』を達成するというのが名前の由来。宮里は米ツアー参戦2年目、スランプに陥っていた時期から指導を受け始め、その後の世界ランキング1位戴冠や数々の活躍を支えるものとなった。インターネットが普及したいま、ジュニアゴルファーの技術は昔よりも高度になっているという。その一方で、こんな心配も口にする。「情報がたくさんあって、最短でゴルフがうまくなる時代になりました。その分、自分が思っている以上に速いスピードで、ゴルフの成熟度が増していると思うんです。でも実際はまだ16歳とかで、人間性の部分では成長曲線がまだ緩やかな段階。ゴルフだけガッと成長してしまって、そこにギャップができてしまいます」ゴルフの調子は、ずっと右肩上がりに行くわけではない。調子を落としたとき、それをカバーするために、初めて人間性が求められる。「考える力や自分で物事を決めて進む力を持って、バランスを保っていかないと、長くプレーすることができないと思うんです。そのためにもVision54を知ってもらいたい」。宮里は現役時代、「全部深く考えてしまうタイプ」だった。そして、Vision54を通じて心を整えることができるようになり、パフォーマンスの向上につなげることができた。いまの若手選手については、「みんな上手な印象を受けます」という。最近は、メンタルトレーナーをつける選手も増えている。「自分に必要なことだけ抜粋して考えられている感じがします。“ここまでで考えるのは終わり!”っていう線引きができている選手が多いですね。ゴルフは複雑なスポーツで、試合数が多くて、より結果を出さないといけない。オリンピアンとはまた違った難しさがあると思います。いろんな結果や調子をどう消化して、言語化するか。誰かに話したほうが必要最低限の時間で済むので、(メンタルトレーナーは)大事だと思います」だから宮里は、ジュニアに対して自身が大事にしてきたメソッドを教える。ただ、ここで強調するのが、これはあくまでも選手の選択肢のひとつだということ。「基本的なことを伝えるけれど、それを続けるかどうかは選手次第」というのがスタンスだ。教えたことが選手たちのその後につながっているのか、宮里自身が直接確かめることは難しい。それでも、参加した選手たちが成長していく姿を実感している。「他の試合で見かけることがあると、“頑張っているんだね”っていう話ができる。そういう機会はすごく増えています。その瞬間がうれしいです」。一度伝えた言葉が、その選手のなかに残り、いつかプレーの支えになる。そんな“種”をまくことが、この大会の大きな意味のひとつ。「メンタルトレーニングというより、パフォーマンスにつながるためのドリルや考え方をプレゼンしているので、思い出してもらえたらうれしいですね」。これからも次世代のゴルファーたちに、新たな気づきと学びの機会を届けていく。(文・笠井あかり)