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西村優菜が苦境で始めた“褒める”習慣「反省点はいくらでも出るけど…良い記憶で上書きを」【カメラマン南しずかの米ツアー小話】

2026/10/01 20:02

西村優菜はある取り組みを初優勝につなげた(写真は8月CPKC女子オープン)(撮影:南しずか)

畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子、原英莉花など、2026年は過去最多となる日本勢15人が出場する米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のこぼれ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!? 【写真】おめでとう! 涙のち輝いた優菜スマイル ◇西村優菜が、米ツアー参戦4年目にして待望の初勝利をつかんだ。ここまでの道のりは、決して順風満帆ではない。とりわけ直近の2年間はショットの不振に陥り、予選落ちが続いてシードを喪失するなど、苦戦を強いられていた。その胸の内を明かしてくれたのは、昨年8月「スタンダード・ポートランドクラシック」の練習日。「試合をするのもコースに出るのも嫌でした。(ショットが)右に出たら、次に同じミスが出るのが怖くて打てなかった」。それでも、落ち込んでいるだけでは何も変わらない。復調の糸口を求め、必死に模索した。メンタルに関する本を読み、中島敏雅コーチにも指導を仰いだ。その過程で始めたことの一つが、日々の“良かったこと”をノートに書く習慣だった。きっかけは、気持ちの切り替えがうまい海外選手がいることを目の当たりにしたこと。自分はネガティブな感情を引きずりがちなのではないか、と気づいた。「例えば、結果が出なかった時に、『きょうは天気が悪かったからこんなもんでしょ』と良い意味で他責思考する選手がいたりして。ポジティブな気持ちに保つのがうまいんです」。より早く復調するために、そして、1打でもスコアを伸ばすために。ネガティブな感情を抱えたままプレーするのは得策ではない。だからこそ、前向きな気持ちに切り替えられるように、自分を褒める作業を始めてみたということだ。ただ、本人いわく「自分の良いところを探すのが苦手なタイプ」だという。「ラウンドを終えると、『きょうここダメだったなあ』とか反省点はいくらでも出てくるんです。『ここ良かったな』っていうのは、意外と忘れてしまう。だから、良かった記憶で上書きできたらいいなと思って」自分に厳しく、向上心を持って努力を重ねてきたからこそ、プロゴルファーとしての今がある。一方で、気持ちの切り替えの必要性を感じたからこそ、自分を褒めることを始めた。思うような結果が出なかった日も、心が折れる日も、「ここが良かった」と思えるところを探し、ノートに書き込んだ。毎日、自分を肯定した。もちろん、米ツアーで初優勝した日も、良かったことをノートを書いた。―(最終ラウンドを迎えるにあたり)トータル20アンダーという目標を立て、そこに向かって気持ちを切らさずにプレーできた―前半はちょっと焦りもあったが、そこからしっかり戻せた―(試合中に)あんまり沈んだ表情をしないよう心がけていて、(優勝争いの)すごい緊張感の中でも表情を保てたと思うもがきながらも諦めず、前を向き続けた。自分自身との向き合い方をちょっと変えたことは、米ツアー初優勝を引き寄せた要因の一つだったかもしれない。優勝翌週の「ロッテ選手権」の練習日、興奮から落ち着き、柔らかな表情でこう語った。「去年から今年にかけてすごく勉強しましたし、経験からもすごく学びました、(優勝したから)今でこそ良い経験だったって言えるんですけど、(優勝する前は)そんなこと全く思えなかった。努力しても結果につながらない日の方が多いじゃないですか。なので、ずっとつらかったですけど、やり続けてきた自分を褒めてあげたいなと思います」。(取材・文/南しずか)