日本ツアー通算30勝目を挙げ、史上7人目の永久シードを獲得した申ジエ(撮影:GettyImages)
「日本女子オープン」で日本ツアー通算30勝目を挙げ、史上7人目の永久シードを獲得した申ジエ。高いショット精度を誇る彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
【連続写真】シャフトクロスのトップを作りインから下ろす 申ジエのドライバースイング
◇ ◇ ◇史上7人目の永久シードを獲得した申ジエプロ。アマチュアにも参考になるポイントが数多く見られるので、そのスイングをじっくり解説したいと思います。【お尻を下げずにスッと立った前傾が浅いアドレス】正面と後方からでは、スイングのイメージがやや異なって見えます。後方から見れば、ややアップライトにワイドにクラブを上げていきますが、正面からはヘッドを低く動かし、プレーンに上げていくように見えます。アドレスでの前傾は浅く、重心は若干ツマ先寄り。お尻を下げずにスッと立っています。前傾が浅く、重心も高い分、手先でクラブを上げやすいようにも見えますが、スイング軸がしっかりとしていて、体を捻ってクラブを動かしています。【シャフトクロスのトップからインから下ろす】ワイドかつアップライトに上げつつ、ダウンスイングでプレーンに乗せるためのポイントが、2つあります。1つがトップで若干シャフトをクロスさせること。シャフトクロスはシャフトが寝る要素ですが、それをうまく活用してクラブをインサイドへ。もう1つは浅い前傾姿勢です。浅い前傾は横振りしやすく、彼女の身長とドライバーの長さを考えれば、前傾を深めないことでプレーンに乗せやすくしているのではないでしょうか。前傾は浅いものの、腰が浮くことはないので、フェース面をコントロールでき、ボールを押し込めています。【ダウンスイングは手元がなかなか出てこない】ダウンスイング後半からインパクト、そしてフォローへの動きは、体でクラブを引っ張る動きが顕著になっており、巧みにクラブをコントロールしていると感じます。インパクトに向かって体は回転していくものの、手元がなかなか出てきません。両足を伸ばして体を跳ね上げるように動かしつつも回転し、手元の動きは最小限に抑えている。体でヘッドをコントロールする理想的な動きだと思います。フィニッシュを見ると、アゴと右肩の位置が近く、肩の運動量は大きくないことが分かります。それでも大きなフィニッシュが取れているのは、腰が回り切っているから。下半身の運動量が豊富なので、上半身の動きが小さくても大きなモーションになるのです。【腰が回り切ったフィニッシュをマネしよう】「体で打つ感覚が分からない」「フィニッシュでバランスを崩してばかり」という人をはじめ、「体が硬くなってきた」と感じ始めた年代まで、多くのゴルファーが参考にしたいのが、このフィニッシュです。まずはフィニッシュの形を体感することから始めてください。アドレスしたら、腰を回してインパクトの態勢に入ります。腰の回し方は、左尻を後ろに回す、左ヒザを伸ばすなど、自分に合ったやり方で構いません。大切なのは、腰を回して左足にしっかりと乗ること。この形ができたら肩を回し、フィニッシュの姿勢を取ってください。つまり、下半身から順に動き出す、その順番が大切なのです。フィニッシュまでの動きのイメージができたら、ゆったりとしたスピードからボールを打っていきましょう。■申ジエシン・ジエ/1988年生まれ、韓国全羅道出身。2008年に海外メジャーの「全英リコー女子オープン」で優勝を果たす。韓国・米ツアーのシード権を獲得し、09年には米国の賞金女王に輝く。14年から日本に参戦。26年「日本女子オープン」で日本ツアー通算30勝目を挙げ、史上7人目の永久シードを獲得。スリーボンド所属。■解説・南秀樹みなみ・ひでき/プロゴルファーだった父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。