金澤志奈、師匠の偉業に続けるか(撮影:佐々木啓)
<スタンレーレディスホンダ 初日◇9日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6530ヤード・パー72>先週、日本一を争う舞台で繰り広げられた激闘の光景は、そのまま金澤志奈の力になる。「永久シードまであと1勝で、一番勝ちたい試合で勝てたのは私たちにとっても励みになりますね」。敬愛する申ジエ(韓国)が「日本女子オープン」で成し遂げた通算30勝達成と、国内メジャー4冠制覇を振り返る。
【写真】美しき師弟愛 金澤とジエが涙の抱擁
2人が知り合ったのは15年以上前のこと。金澤が中学3年生ごろから師事する日本ツアー1勝の金愛淑(キム・エイスク)を通じて縁ができた。合宿をともにするなど、成長に欠かせない存在でもある。そんな人物が、鬼気迫る表情で、どうしても欲しかったタイトルを目指している姿は「怖かった」とも話す。優勝直後には少しだが言葉を交わすこともでき、喜びを分かち合った。間近で見続けてきたからこそ、そのすごさは肌で感じている。「体作りも怠らないですし、練習量もすごく多いし、そこは見習って。私たちが怠けている場合じゃない」。金澤も今年7月29日に31歳になったが、ジエは38歳になっても第一線でプレーを続けている。「(ウエイトトレーニングは)私の3倍くらいの重さでやってます。(ジエは)体が資本だと思ってやっていて、食事にも気を付けている。見習いたい」という最高のお手本だ。刺激の“鮮度”も高い今週、富士の麓で金澤にチャンスが訪れた。トータル5アンダーで初日を滑り出し、首位の古江彩佳と2打差の2位タイにつけている。6バーディを奪ったこの日のパーオン率は、出場した108人中、唯一の100%を記録。アップダウンが激しく、グリーンも硬く締まったコースとあって、この数字はさらに価値を増す。最終18番パー5でのバーディも、残り100ヤードの3打目を1メートル弱につけて奪ったもの。ショットは「ここ最近で一番いい」と言って、うなずく。同組で回った木戸愛も2位、青木瀬令奈は5位と、3人合わせて“14アンダー”というハイレベルなラウンドにもなった。「みなさんミスもなく、少しのミスがあってもカバーして。ボギー数もかなり少なかった(計4個)ですね」。スムーズな流れもリズムをよくした。最後の予選落ちは5月の「リゾートトラスト レディス」。その後は「北海道meijiカップ」の4位など、トップ10にも4度入っている。昨年9月の「ソニー日本女子プロ選手権」に続くツアー通算2勝目も近そうだ。「今年、優勝できてないので勝てれば」。今週は欠場しているジエから勝利のバトンを受け取りたい。(文・間宮輝憲)