ツアー通算3勝のささきしょうこ(左)と“トライ王”大畑大介氏が異色のタッグで予選通過を目指していく。(撮影:佐々木啓)
<スタンレーレディスホンダ 初日◇9日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6530ヤード・パー72>「リベンジしたいんです!」。1年間、胸に抱いてきた思いを実現するため、励む選手とキャディがいる。
【写真】ゴルフも上手です ラグビー元日本代表の大畑氏
それが通算3勝のささきしょうこ。2018年大会の優勝者でもある。そして、隣でキャディを務めるのは、ラグビー元日本代表でテストマッチ(国際試合)通算69トライの世界記録を持つ大畑大介氏。16年にはワールドラグビー殿堂入りを果たしたレジェンドで、“屈強”という表現がピッタリの体でバッグを担いでいる。共通の知人を通じて知り合った2人は、すぐに意気投合。“飲み仲間”として親交を深めていた。「大畑さんもゴルフが大好きだし、スポーツ選手として話をしていておもしろかったんです。ゴルフやラグビーの話をしているなかで『1回キャディをやってみません?』という流れになって。おもしろい化学反応が起きたらいいですよね、というところから始まりました」。こうして、昨年大会でタッグが実現した。しかし、“初戦”はカットラインに2打及ばず予選落ち。これが負けず嫌いのアスリートたちに火をつけた。「終わった瞬間に、すごく悔しいからリベンジしようという話になっていたんです」。ささきがその時の様子を明かすと、大畑氏も「去年の大会終わりで、もう1年やろうかという話になっていたので、準備はできていました」と、すっかり“本気モード”になったようだ。その思いが力になったかのように、2度目のタッグとなった初日は3アンダー・11位タイと好位置につけた。バンカーにつかまるシーンも多かったが、砂イチで切り抜け、28パットのグリーン上でもスコアをまとめた。「去年は大畑さんも初めてだったのでドタバタしてたし、私も(予選を)通りたいという気持ちが強すぎて、そればかりが勝ってしまった。今年は2人でしっかりマネジメントをしつつ、楽しく回って、上位にいけるように頑張ろうって話してます」。“トライ王”のキャディ姿も、すっかり板についてきた。ラウンド中は「ほとんどがゴルフ以外の話」と、盛り上がりながらプレーが進んでいく。それに加え、相棒は一流アスリートとあって、ささきにとっては勉強になることも多い。「動きは違うけど、物事のとらえ方をすごく前向きにできるんだなって思います」。貴重な経験になっている。「今年はなんとなく邪魔にはならないと思うので」と言って笑う大畑氏だが、準備に余念はなかった。「気持ちの浮き沈みをなくせるようにイメージはしました」と、その“操作術”を明かす。この気配りが前向きな言葉として、ささきに届いたようだ。奇しくも、この日のささきのスコアは、大畑氏が日本代表として記録したトライ数と同じ『69』。今年は最高の笑顔とともにノーサイドの時を迎えたい。(文・間宮輝憲)