台風の被害を受けた東急セブンハンドレッドC。大会への影響は?(撮影:上山敬太)
<富士通レディース 事前情報◇14日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6717ヤード・パー72>令和8年8月千葉豪雨、そしてシルバーウィークを襲った台風25号。未曽有の気象災害を受けた千葉県の東急セブンハンドレッドクラブで、国内女子ツアーが開幕する。
【写真】災害の跡を感じさせない13番グリーン…みなさんの想いに拍手!
千葉豪雨では「500~600㎜」の雨が降り、東西両コースで池が氾濫した。同コースで20年にわたり管理を担ってきた西川誠グリーンキーパーも、目の当たりにした被害に言葉を失った。「いままでにない被害状況。東コースの池があふれたのは初めてみました」と振り返る。例えば、西1番は右サイドの池が氾濫してフェアウェイまで冠水。13番の大きな池も水があふれ、グリーン手前バンカーの砂が流されたばかりか、グリーンの半分が水に浸かった。事前に予定されていた定休日を含め、コースは6日間クローズ。「既存のドレン菅で、徐々に水位が下がるのを見守りました。そこから掃除をして、薬をまいたり。総支配人にもお願いして工事を入れてもらいました」。復旧作業は急ピッチで進められた。9月上旬の大雨をなんとか乗り越え、計画的に復旧を進めていた矢先、追い打ちをかけたのが9月20日。台風で甚大な被害を受け、コースは同じような光景に逆戻りした。3日間のクローズを余儀なくされ、開幕まで3週間という差し迫った時間のなかで整備作業に追われた。「正直、間に合うのかな…と思いました。通常の作業ならば間に合うと思うけれど、イレギュラーな災害。協力会社にお願いしながら、なんとかいまの現状にこぎつけることができました」選手からは「大雨の爪痕を微塵も感じさせないほどキレイ」と、コースの仕上がりを評価する声が相次いだ。主催する富士通所属で大会3勝の古江彩佳は、「所々、芝がかわいそうなところはあったけれど、被害があったなか本当にいい状態になっている」と話す。スポンサー契約を結ぶ馬場咲希も、「災害級の被害があったとは思えないくらいキレイ。コースの方は大変な思いをされたと思うけれど、こうやって大会にあわせてしっかりとコンディションを整えてくださって、すごくありがたいです」と感謝を口にした。一方で、雨に加え、8月以降の日照不足もコース状態に影響を及ぼした。西川氏は「グリーンの状態が非常に悪くなりました」と表情を曇らせる。「スピードやコンパクションを含め、難しかったです。色合いが悪くなったり、不具合が出ているのは確か。安どはしていますが、自分のなかでは満足いく状態ではない、というのが正直なところです」。11フィートのスピードに、例年に近いコンパクションにまでなんとか戻したが、目指していた状態に届かなかったことへの悔しさがにじんだ。「キーパーをはじめ、みなさんに頑張っていただいて、なんとかこういうコンディションになりました。JLPGAの方から『これならば(開催できる)』というお墨付きをもらえました。至らない部分はありますが、ここまでできたので、いい大会になることを願うばかりです」(栗山高幸総支配人)「無事に終わってくれれば…。それだけです」と苦笑いを浮かべた西川氏。コース周辺道路にはいまも通行止め区間が残るなか、コースの懸命な努力によって、大会は開催の日を迎える。(文・笠井あかり)