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鈴木愛の勝負を分けた一打 実感なき23勝目「本当にうれしいけれど…」

2026/10/19 07:30

鈴木愛が待望の今季初勝利を挙げた(撮影:上山敬太)

<富士通レディース 最終日◇18日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6717ヤード・パー72>前週は4打足りずに予選落ち。8月には首位発進から予選落ちという屈辱も味わった。「優勝争いどころか、気を抜いたら予選落ちが続きそうなゴルフばっかり。そんな人がまさか優勝できるとは」。鈴木愛にとって、通算23勝目は「初めて実感がない」という不思議な勝利になった。 【連続写真】タメ&リリースで飛ばす 鈴木愛のドライバースイング 元世界ランキング1位のコ・ジンヨン(韓国)のスイングを参考にし、ショットに復調傾向はあった。「68」「67」「69」「69」と4日間すべて60台をマークしたのはフィールド唯一。首位で迎えた最終日は、サンデーバックナインで3バーディを奪い、一時は6人が首位に並ぶ混戦から抜け出した。「勝負は後半。攻めていきながらセーフティにを心がけた」。勝負の分かれ目となったのは14番。この日の平均スコアは「4.1864」で、難度2番目のホールだった。2打目はピンまで148ヤード。打つ直前に風が左からに変わった。「奥が3~4ヤードしかなくて、手前からのアプローチは寄せられる自信があった。左奥を警戒しながら、短い番手でしっかり振り抜きました」。8番アイアンでワンピン右からドローをかけ、4メートルにつけた。イメージ通りの一打でチャンスをつくると、バーディパットを沈めて拳をにぎった。表彰式では関係者から『もっと喜んでいいんだよ』と声をかけられた。「喜んでいなかったのかな…。本当にうれしいんですけど、終わったのかなという感じがして」と笑う。そのなかでひときわ声を弾ませたのは、自身のオリジナルブランド『own is ROSE』のウェアを着用して初めて優勝を飾ったことだ。ゴルフへのモチベーションを高めるために始めた、非売品のアパレル制作。勝負の一日には、胸元に大きなロゴの入った、「テレビ的に一番映えて印象に残る」という鮮やかな緑色の一着を選んだ。「たくさんの人に知ってほしいし、これから売りたいなという気持ちもありつつ。たくさん優勝して、自分で宣伝していきたい」。かねて目標に掲げる通算30勝の永久シード獲得にも、一歩近づいた。2週前の「日本女子オープン」では、申ジエ(韓国)が達成。「身近でできる人がいると自分もできるんじゃないかという可能性を信じたくなる。日本人では不動(裕理)さん以降出ていない。勝てそうなうちに早く近づきたい」。このうれしい“初優勝”を、偉業への新たな一歩とする。(文・笠井あかり)