ゴルフパートナー

“転換期”を迎える有村智恵 シニアツアーの舞台で気づいたゴルフの向き合い方と大きな夢

2026/10/19 12:15

母になった有村智恵の今後は?(撮影:米山聡明)

<ファンケルクラシック 最終日◇18日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇7027ヤード・パー72>2023年から始まった「女子プロエキシビションマッチ」。今年は30~45歳までの女子プロゴルファーを応援する「Lady Go(レディゴー)」の協力のもと、有村智恵、原江里菜、宮里美香、吉田弓美子、西山ゆかり、成田美寿々が参加し、2日間競技で行われた。「Lady Go(レディゴー)」の発起人でもある有村は、2年連続の出場でシニアプロからゴルフの向き合い方、そして将来の夢を見つけることができた。 【写真】女子プロが… タテに並ぶという発想 昨年はシニアプロの前に女子プロだけの組を作って2日間戦ったが、今年は初日のみシニアの組に女子プロ1人が入る形で行われた。シニアのパワーと技に、女子プロの華やかさが加わり、大きな盛り上がりを見せた。来月39歳になる有村は、54歳の小久保晃一と50歳の木村友栄と同組となった。50歳を過ぎても高いパフォーマンスを発揮するシニアプロをじっくりと観察した。「若い時みたいに、体の動きとか、うまくいかなくなってきている転換期だなと思うんです。その部分はすごく勉強になりました」高校卒業した18歳からツアーの一線で活躍してきた。今と10年前、20年前では感覚や体の使い方は変わってくる。経験を重ねることでマネジメント面は成熟してくるが、フィジカル面は思うようにならないことが増えてくる。シニアプロは、今の有村が直面している経験をして、ツアーの舞台に立っている。レギュラーツアーで優勝を重ねていた頃の有村は、手首をあまり使わず、ボディターンでスイングして高い精度を発揮していた。しかし、「今はクラブをうまく使って走らせるために、リストワークを使うようにシフトしてきるのですが、ちょっと定まっていなくて…。でもシニアプロの方を見ていて、自分の進む方向性が見えたと思いました」。シニアプロがリストをうまく使ってクラブに仕事させるスイングを見て、自分の道に確信が持てた。スイング面だけでなく気づくことが多かった。レギュラーツアーではスタートの1時間30分前から動き始める選手は多いが、シニアでは皆無。スタート前にボールを打たずに素振りだけで終わらせる選手もいるぐらいだ。「以前のように24時間、365日ゴルフだけに費やせるわけではないので、短い時間のなかで準備をしたり、ゴルフを上達させなければいけないので」。スタート前の準備やクラブの選び方を含めて、今一番知りたいことを実践している“お手本”を目の当たりにして、「そういう意味でもすごく楽しい試合でした。そういう機会を使っていただき感謝です」。シニアプロと話す有村がイキイキしていた理由が分かった。子育ての最中の有村は、現在、ツアーに出場するためのQTは受けていない。主催者推薦で出場する程度だ。それでも、昔のように向上心は忘れていない。「なんでですかね」と笑うが、「プライベートでも仕事でもゴルフをやるとなったら、うまいくいかない悔しいんですよね。ああでもない、こうでもないと考えてしまいます」とプロゴルファーの性のようだ。「ツアーではないけど、今回みたいに人前で試合をする機会もありますし。やっぱり下手になりたくないっていう気持ちはありますね」。ツアーの一線を離れても納得のいく球筋、スコアを作りたいというが本音のようだ。しばらくの間はツアーに本格復帰という考えはない。それでもシニアツアーの舞台に入って、気づいたことがあった。「息子さんとか奥様がキャディをやっているのを見て、その姿がうらやましいと思いました。15年後ぐらいに、息子がシニアの試合でキャディいけるなと。すごく大きな夢だなと思いました」レギュラーツアー時代と違い、シニアプロは真剣勝負のなかに“楽しみ”を求める選手は多い。その時間を家族と分かち合う姿が有村の目には憧れに映った。有村がシニア入りするまでにはまだ時間はあるが、すごく大きな夢と向上心を持ってゴルフと向き合いそうだ。(文・小高拓)