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小林会長と話して気づいた足りないもの 桑木志帆が女王に大前進の今季4勝目「不思議な感覚」

2026/10/26 07:36

強い! 桑木志帆が年間女王戴冠 へ大前進(撮影:福田文平)

<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日◇25日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6520ヤード・パー72>何度も並ばれながら、首位の座を明け渡すことはなかった。誰が打っても絶対に外さないカップの縁からのウィニングパット。笑顔で両手を大きく広げた桑木志帆は、初の年間女王を確実とする今季4勝目を「今までの優勝とは違う不思議な感覚」と表現した。 【写真】メルセデス・ベンツでご満悦の桑木志帆 「優勝できると思っていなかった。本当に調子があまりよくないなか、勝ち切ることができた。めちゃくちゃうれしいです」「68」「69」「67」「69」とただ一人、4日間すべて60台を並べた。3日目に単独首位に立ち、通算7勝のうち5度目となる逃げ切り優勝。だが、予選ラウンドから「調子はよくない」「自分のプレーができなかった」の繰り言だった。それでも最後は勝った。勝因に挙げたのはメンタル。「気持ちですね。自分に負けないぞ! という思いです」と即答した。3週前の「日本女子オープン」は、その気持ちの差で負けた。史上初のメジャー4冠&史上7人目の永久シードを狙う申ジエ(韓国)との一騎打ちとなった最終日。2打のリードを追いつかれ、プレーオフで惜敗した。悔し涙が止まらなかった。翌週の「スタンレーレディス」で日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長と話したとき、どうして負けたのか改めて腑に落ちた。『いいゴルフはしていたけど、何が足りなかったと思う』と聞かれた。「気持ちですかね」と答えると、『そうだな』と否定されなかった。『申ジエさんのほうが勝ちたいという気持ちが出ていたし、それがプレーにも表れていた』とも言われた。その通りだった。39歳の気迫に圧倒された。今度は、あの日のジエに自分がなる番だった。「自分でも気づいていたけど、会長とお話をして、やっぱりそうだったんだなあと。気持ちが足りなかった。きょうは絶対に、気持ちで負けないようにやりました」2打リードで迎えた前半は2バーディ。4つ伸ばした森井あやめとトータル14アンダーで並んで折り返した。後半はバーディを2つ先行させたが、ティショットをピンとは逆のグリーン左に外した17番パー3でボギーを打った。だが、傷は最小限に抑えた。「ここぞというときに気持ちを強く持った。17番のボギーパットは緊張したけど、絶対に決めてやると思って打ちました」。微妙な約1メートルを真ん中から沈めた。3週前の苦い経験もムダではなかった。4日間大会の優勝300ptを加え、1位を独走するメルセデス・ランキング(MR)は3324.18pとなった。3位タイだったMR2位の佐久間朱莉とは1078.63pt差。7月「資生堂・JALレディス」で初めてMR1位に立って以降、リードを最大に広げて最終盤の11月に突入する。欠場する次戦の「樋口久子 三菱電機レディス」で佐久間が優勝しても、その翌週の日米共催「TOTOジャパンクラシック」で、佐久間に31.37pt差をつければ初の年間女王に輝く。年間獲得賞金も1億7900万円を超え、2億円が見えてきた。「AIG女子オープン」(全英)の優勝賞金150万ドル(約2億3000万円)など海外メジャーの賞金を加えれば、すでに4億円を突破した。「わぉ! すごい。でも、来年からはすごくお金がかかる。いくらあっても足りない。もっと稼ぎたいです」主戦場を米ツアーに移す来季を見据え、これからも貪欲に上を目指していく。「もっと強くなりたい。完璧主義に近いのでミスが許せない。不可能だと思うけど、毎回いいショット、いいパットが打ちたい。弱みのない選手になりたいです」。「不思議な感覚」と表現した優勝は、実は不思議でもなんでもない。全英を制した技術は世界基準。それを、敗戦から学び、強化したメンタルで武装する。間もなく誕生する新女王は、また一つ強くなった。(文・臼杵孝志)