とにかく明るいエイミー。持ち前の笑顔が弾けた(撮影:米山聡明)
<樋口久子 三菱電機レディス 初日◇30日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6690ヤード・パー72>なかなか結果が出なかったどん底の時期を乗り越えようとしている。2018年のプロテストでトップ合格を果たし、翌19年にはシード権も獲得したエイミー・コガは、今「戦えている」実感を胸にプレーしている。
【写真】エイミーのニコニコ比率は90%超え
「マネジメントと、ショットが思い通りにいきましたね。パットも読みやすいラインが残って、チャンスもたくさん取れました」。底抜けに明るい声と笑顔で、7バーディに加えボギーもなかった会心の一日を振り返る。最初のバーディは、右カラーからの18メートルをパターでねじ込んだもの。この後も15番の4メートルや、最終9番の5メートルなど、決まればうれしい距離を次々と沈めていった。「(ハワイ出身で)それっぽくしたら亀とかパイナップルが多くなっちゃって」と笑う。ボールにはパイナップルが描かれ、マーカーは亀の形のものを使用しているが、次々とパットを決めた手には、6月から使用するオデッセイの『TRTL』が握られている。まさにエイミーにうってつけの1本だが、見た目だけでなく「打感も転がりも座りもいい!」と、その性能にも満足している。グリーン上での好調ぶりは、クラブだけがもたらしたものではない。「ミネベアで河本さんと菅さんというパターがうまい2人と回った時に、テンポやルーティンを見て変わりました」。7月の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」第3ラウンドで河本結、菅楓華とプレー。現在、平均パット数(パーオンホール)で2位と3位につける2人のパターさばきに目を奪われ、そこからイメージもよくなった。ピンに絡めるショットも出色だったが、ここ数年はそのショットに悩まされてきた。「ドライバーや長いクラブがとにかく当たらなくて、ゴルフが難しくなっていました」。初めて手にしたシードを喪失した20-21年シーズンから24年まで、メルセデス・ランキング(MR)は三桁順位。昨年はレギュラーツアーの出場がなく、ステップ・アップツアーで1年間戦い続けた。転機になったのは、昨年2月頃から取り組んでいるスイング改造。父でコーチの古賀裕規男さんと一緒に作り上げてきた。目指しているフォームを習得するにつれ、持ち球がドローからフェードに変わったのは、思わぬ副産物だったが、それが安定感につながった。「本当にゴルフができていない状態で、戦える状態ではなかった。苦しかったけど、その時があるから今がある」。こう振り返ることもできている。初日を終え7アンダーは小祝さくらと並ぶトップ。首位発進は自身初めてで、ラウンドを1位で終えるのも2019年「スタジオアリス女子オープン」第2ラウンド以来2度目のできごと。パー72の「65」も自己ベストに並ぶスコアだ。デビュー当時の「常にマン振り、常に頑張ろうだった」というゴルフは、苦しみを乗り越えるなかで、しっかりと状況を把握し、抑えるべき時は抑える大人のゴルフに変貌した。MRは81位と、まだシード復帰のためにはもうひと踏ん張りが必要。ただ、それも「上で戦って、強くなって上位争いをしたい」という思いを着実に叶えていく先に待っているはずだ。「ちょっとずつレベルアップしてるし、これからが楽しみですね」。31歳は再び前へ進んでいく。(文・間宮輝憲)