谷田侑里香が悲願成就へ最高のスタートを切った(撮影:福田文平)
<JLPGA最終プロテスト 初日◇3日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6462ヤード・パー72>米国下部のエプソン・ツアーに参戦して今年で3年目。そこで成長したことを聞かれると、谷田侑里香は「気持ちの部分」と答える。「厳しい環境のなかで戦い抜いたことは自信になっています。すごくハードな環境なので」。一人で荷物を抱えて米国各地を転戦し、さまざまな“理不尽”を乗り越えてきた経験は、この勝負の4日間でも生きる。
【写真】谷田侑里香さんが髪をほどきました
「2打目の縦距離を合わせることができた」と9バーディを奪った一日。それでも「さっき言われるまで、9つも取ったことを知りませんでした」と集中し続けた。スタートの10番で4.5メートルのバーディパットを決めると、15番からは6.5メートル、1メートル、6.5メートルを決めて3連続でスコアを伸ばす。最終9番も、残り92ヤードの3打目を1メートル弱につけてのバーディフィニッシュ。韓国ツアー通算20勝を誇る2位のパク・ミンジに2打差をつけ、7アンダーで単独首位に立った。9月に米国でのシーズンを終えると、現地で少しの調整を挟んで10月に帰国。そこから2度目となる最終プロテストへの準備を進めてきた。事前の6ラウンドほどで苦手なホールやクセをしっかりと把握。目標スコアは設定せず、「自信を失わずにプレーしようと決めています」ということを合格への道しるべにする。これが6度目のプロテスト挑戦。初めて最終まで進んだ昨年は、岡山のJFE瀬戸内海GCで最終日まで進めずに悔しさをかみしめた。「悲しい気持ちになったけど、そこから這い上がって、ここまでくることができた。この1年で学んだことを出し切りたい」。昨年は精神的に苦しい時期を過ごしたが、今年はゴルフに対してより前向きにシーズンを過ごしてきた。それが“自信”につながっている。神奈川県出身だが、プロになるため高校時代に単身で米国に渡り、ミシガン州立大を卒業。“第二の故郷”ともいえる地でプロ生活を送っている。今季のエプソン・ツアーはポイントランキング98位で終え、来年の準シード(81~100位)は確保。ほとんどの試合に出られる見込みは立っているが、プロテストに合格して「日本でプレーしたい」という気持ちをかなえたい。この日の「65」は、今季の自己ベストスコア。「毎年、自分のなかでよくなっている実感があるので頑張ることができています」。真摯にゴルフに向き合う姿勢が魅力の選手だが、「とりあえず今は喜ぼうかなと思います」と、自然とほほが緩む初日にできた。ただ、「またあしたから新しい1日が始まるのでリセットします」と、気持ちに緩みはない。残り3日間も集中力を研ぎ澄ます。(文・間宮輝憲)