佐久間朱莉が米ツアー初優勝。そこではさまざまな本音が語られた。(撮影:鈴木祥)
<TOTOジャパンクラシック 最終日◇8日◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598ヤード・パー72>昨季の日本ツアー年間女王・佐久間朱莉が、米女子ツアー初優勝を遂げた。首位と3打差の5位タイから出た最終日は、ボギーなしの8バーディで「64」をマーク。トータル20アンダーまで伸ばし、逆転優勝を飾った。並みいる強豪のなかでつかんだ、先週の「樋口久子 三菱電機レディス」に続く2週連続優勝の価値は大きい。
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「きょうは優勝を意識せず、5アンダーを目標に設定していた。そこに向かってプレーしていました」。目標に掲げたスコアを上回るラウンドで、栄冠をつかんだ。この優勝に「アメリカツアーだからではなく、去年できなかった(年間)5勝を達成できたのがうれしく思います」と笑顔。4勝を挙げた昨年を上回る年間5勝目を素直によろこんだ。その躍進を支えたのは、今季2勝目を挙げた「ニトリレディス」で得た自信だった。「今年は開幕で優勝して、2勝目を挙げるのに時間がかかってしまった。でもその2勝目が私にとってとても大きい。気持ちに余裕を持って、あまり焦らずにプレーすることができている。今週の優勝にもつながってくれたかなと思います」米ツアーで今季3勝を挙げている山下美夢有や、今年初優勝を飾った吉田優利、米ツアー通算7勝の畑岡奈紗ら、米国で戦う日本勢が集結。海外勢も今季米4勝のジーノ・ティティクル(タイ)をはじめ、強豪が顔をそろえた。「世界トップクラスの選手が帰ってきてくれているなかで優勝することができたので、とても自信になりました」と、自信をさらに深めることができた。今回の優勝で、米女子ツアーメンバー資格と2年間のシード権を獲得。来季、世界最高峰の舞台でプレーするか否かについては「私ひとりの問題ではない。まだまだ考えることがあるので、今は何も言えないです。考えます」と慎重な姿勢を示した。ただ、年間女王争いの話題になると、その言葉にも力が入る。「正直、(桑木)志帆の全英のポイント(800pt)はとても大きい。国内でも志帆は頑張っているので、自分が(年間女王に)なるのはそう簡単じゃないと思う。でも、志帆に簡単に年間女王を取らせないために、私も頑張りたいという思いで頑張っています」今大会前に878.63pt差だったメルセデス・ポイントも、この優勝により、625.13ptに縮まった。美野里で桑木の女王が確定する可能性もあったが、それを阻止した。ただ、来週の「伊藤園レディス」でも、その可能性は残るため気は抜けない。その条件は、伊藤園終了時点で両者の差が700ptを上回ること。「大王製紙エリエールレディス」の優勝者には300ポイント、メジャー大会の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では400ポイントが与えられるため、ここがラインになる。桑木優勝なら佐久間の順位に関わらず確定するなど、自力女王の可能性はすでにないため、そのなかで最善の結果を出し続けるしかない。昨年はシーズン後半から自身がランキングトップに立ち、追われる立場だった。その時の年間女王争いについては「辛かったので、早く決まってほしいし、早く終わってほしい」とも感じていた。しかし、今年は追う立場となり、心境にも変化が生まれた。「自分がなりたいというよりは、少しでも長くこの争いを楽しみたい。今年は逆の立場なので早く終わらせたくないです」と、最後まで競り合うことを望んだ。残っている3試合には、メジャー大会も控えている。メジャーでの優勝は、昨年12月に亡くなった師匠の“ジャンボ”こと尾崎将司さんとも約束していたことだ。「そこに向けて頑張りたいと思います」。米女子ツアー初優勝で世界への可能性を広げた。いろいろな想いを胸に、最終戦まで駆け抜けていく。(文・高木彩音)