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“1勝に一度”のチャンスに挑む吉田鈴 鬼門を打破して狙うは36年ぶりの快挙!

2026/06/10 15:56

2週連続優勝を狙う吉田鈴(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇10日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6619ヤード・パー72>初日から首位に立ち、そのままツアー初優勝をつかむことは決して珍しいことではない。1988年のツアー制度施行後、1勝目を完全Vで達成したのは、前週の「ヨネックスレディス」の吉田鈴で36人目。ツアー優勝者は海外などの招待も含めて253人目だったから、全体の14.2%を占めていることになる。 【連続写真】なぜ初優勝の吉田鈴は安定してドローが打てる? 『右ヒジを真下に下ろす』切り返しは僕らでも真似できる ただし、その先は難易度が格段に上がる。過去、初Vから2週連続優勝を達成したのは1990年の西田智慧子、2005年の表純子、22年の岩井千怜、24年の竹田麗央の4人しかいない。そのうちに、初優勝が完全Vなのは90年「宝インビテーショナル」→「富士通レディース」を制した西田だけ。今週の吉田には36年ぶり2人目の偉業への期待もかかる。 「先週のことは忘れるくらいの勢いでやろうと思っている。優勝した翌週は大事、とよく言われるので、ここでもう一回、気を引き締めてやれるのがもっと上を目指せる選手。今週が大事だと思っています」 8日は都内でルーティンのトレーニングに汗を流し、9日はオフ&移動日に充てて夜に神戸入り。いつものように体調管理を最優先した新ヒロインはこの日、プロアマ大会で調整。ホールアウト後に取材に応じ、「すごくお祝いの連絡をいただきました。プロテストに合格したときよりも反響は大きくて、たくさんの方にテレビで見ていてもらっていたんだなぁと感じた」と改めてプロ2年目での初Vの喜びに浸ったあと、2週連続優勝への思いも口にした。 完全Vで初優勝した35人のうち、翌週の試合でトップ10入りした日本選手は西田のほか、04年「ヨネックスレディス」優勝→「フジサンケイレディス」8位の馬場ゆかり、22年「フジサンケイレディス」優勝→「パナソニックオープンレディース」3位の高橋彩華の3人だけ。多くの選手は気持ちのリセットがうまくいかなかったり、¨V疲れ¨などで力を出し切れず、予選落ちも7人いる。そもそも、ツアー優勝を経験した253人のうち、2勝目を手にしたのは163人で、前週の吉田を除く89人は現時点では1勝止まり。『1勝目より2勝目が難しい』とも言われるゆえんで、吉田もそこは肝に銘じている。 週末のラウンドに進むことが、まずは第一関門となる4日間。そして、最終日には自分との闘いが待っている。153センチの華奢な体。長いシーズンはもちろん、4日間大会をしっかり戦い抜くことはプロ1年目からの課題だった。昨季の第4ラウンド(R)の平均ストロークは72.2000で全体の45位。第1Rの71.6455(33位)から右肩下がりだったが、今季は第1Rが71.3846の7位に対し、第4Rは75.2500で74位と、その傾向はより顕著になっている。今季はコースコンディションが難しい試合が多いとはいえ、「75.25」は容易に受け入れられるスコアではない。 「4日目のことは頭にある。しっかり克服していきたい」 体力勝負ともなる4日間大会。予選落ちだった昨年の借りを返し、鬼門ともいえる4日目を乗り越えて2位以内に入れば7月30日に開幕する海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)の出場権もついてくる。「全英にはやっぱり行きたい。海外メジャーは出たことないし、高い位置でプレーしているフィールドに立つことができれば、いろんなモノが見えてくると思う。出たいです」。気持ちは高まる。喜怒哀楽を表に滅多に出さない22歳が、狙うはツアー史上2人目の快挙。¨1勝に一度¨のチャンスは逃さない。(文・臼杵孝志)