桑木志帆にとって、今年の全米女子プロは成長を実感する舞台にもなった。(撮影:南しずか)
<KPMG全米女子プロ選手権 最終日◇28日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>4日間を戦い抜き、トータル1アンダーの24位タイでフィニッシュ。さらに、リディア・コ(ニュージーランド)、キム・ヒョージュ(韓国)とのラウンドとなれば、桑木志帆にとっては成績以上のかけがえのない経験になる。
【写真】ラウンド後には“殿堂入り選手”とハグ
ひとりは五輪メダルを金銀銅と取った世界ランク11位の殿堂入り選手。もうひとりは、今季2連勝も果たしている同3位。世界トップクラスの実力者2人との時間を過ごし、「お金じゃ買えない経験をさせてもらってる」とホクホク顔だ。「キム・ヒョージュさんは悪い流れが来てもリズムを変えなかったり、リディア・コさんはイーグルを取ったりとか、欲しい時に決めてくる。なんかすごく優しかったです」プレーはもちろん、日本からのスポット参戦にもかかわらず気さくに話しかけてくれた2人。その優しさも身に染みた。また、技術面に目を向ければ「アプローチの打ち方とかも見ていたんですけど、こっちの芝で戦うには色々な種類がないとダメなんだなと思いました」と、海外ツアーで戦う上での“ナレッジ”も、また一つ積み重なった。昨年の全米女子プロは予選落ち。それから1年、海外メジャーで場数を踏んできた経験は、確実に結果へと結びついている。「去年のKPMGは調子が良くてもダラダラいっちゃって、予選落ちだったんですけど、忍耐強くなったなって思います」実際、3週前の「全米女子オープン」も決して状態は良くなかったという。それでも14位で終えた。状態が万全でなくても結果につなげる力は、一年前から大きく成長した部分であり、積極的に海外メジャーへ挑戦してきた成果でもある。2週後は再び「アムンディ・エビアン選手権」、さらにその3週後には「AIG女子オープン」(全英)とメジャーが続く。その間には日本ツアー「明治安田レディス」への出場も予定しており、過密日程が待っているが、「めっちゃ楽しみです。もっと上で戦いたい」と、忙しい日々すら心地良い。これまでにも海外ツアー参戦の意向は示していたが、「Qシリーズ(最終予選会)を受けようかなという気持ちにはなっています」と、その思いはより具体的になってきた。全米女子オープン直後に出場し優勝した日本ツアー「宮里藍サントリーレディス」の会場でも、その考えは口にしていたが、さらにその輪郭がはっきりする、そんな4日間でもあった。予選会から米ツアー参戦というルートは王道だが、その前にメンバー入りが“確定”する道もある。「TOTOを取りたいです、っていう思いが強くなりました」。日本開催の米ツアー「TOTOジャパンクラシック」の優勝で、渡米へ―。そんな青写真も描きたくなるほど、海外ツアーは刺激に溢れている。(文・齊藤啓介)