<資生堂・JALレディス 事前情報◇1日◇戸塚カントリー倶楽部東コース(神奈川県)◇6487ヤード・パー72> 今年はどんな熱戦が展開されるのか? 「資生堂・JALレディス」はあす7月2日に開幕する。昨年は地元・神奈川県出身の木戸愛とのプレーオフを3ホール目で制した永峰咲希が5年ぶりの優勝。木戸が勝てば、13年ぶりと、ともに久々の優勝をかけた戦いだった。今年は戸塚カントリー倶楽部の西コースから東コースに舞台を移しての開催。ディフェンディングチャンピオンの永峰が昨年の激闘を振り返りつつ、連覇への思いを語る。
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■4日間で2万人超の大ギャラリー「いつも以上に力を発揮できた」 4日間合計で2万人超、最終日は6174人。永峰の通算3勝目は大ギャラリーの前での優勝だった。大会期間中の気温は連日30度を超えた。「あんなに暑かったのにたくさんの方が来てくれて、地元の木戸さんへの応援は感じていましたけど、私もアドレナリンが出て、いつも以上に力を発揮できたと思います」。ギャラリーの声援はしっかりと選手に届いていた。 永峰は今年、3月に開催された地元・宮崎県での「アクサレディス」で優勝。地元の声援がどれだけ力になるかはよく分かっている。「私もアクサでは地元のパワーを感じました。もちろん、木戸さんのスキルがあってこそなんですけど、(正規の)18番はギャラリーの皆さんの思いも乗ったバーディだったと思います」。最終18番で12メートルのバーディパットを沈めた木戸が永峰に追いついてプレーオフ突入。距離があるだけなく、下りの大きく曲がるスライスライン。地元の大声援の後押しもあってカップに沈んだ。 最終日最終組での優勝も、同じ組の選手と争っての優勝も初めての経験だった。「お互いに久しぶりの優勝がかかるなか、自分のプレーに徹して、時にナイスショットと声を掛け合って、暑かったので激闘というより死闘でしたね(笑)。初めて優勝争いらしい優勝争いができて良かったなって思っています」 そんな思い出深い1勝を名門・戸塚CCでの「資生堂・JALレディス」で挙げられたことも、永峰にとっては大きな意味があった。「コース自体が難しくて、グリーンは砲台で小さくて、風が吹いて…。その中でバーディを取らないといけないホールがあって、守らないといけないホールもある。この大会で結果がいいと、1年を通していいゴルフができる。予選落ちしているようだと、自分のゴルフがまとまっていないことが分かる。そういう指標になるような大会なんです」。難度の高い戸塚CC西Cを攻略するためには、総合力の高さが求められる。毎年テストに臨む感覚があるともいう。 永峰はフェードボールを武器とするショットメーカー。近年は目澤秀憲コーチとともに正確性や飛距離だけなく、その質も磨いてきた。「戸塚のグリーンはスピンが効いた高い球を打てないと止まらない。高いけど、風にどこまでも流されていくわけじゃない球を練習してきたんですけど、それがこういう時に生きるんだというのを感じられる大会。やりがいがありますね」。この大会で勝ったという自信は、今季の地元での優勝にも繋がっている。 1年前は30歳を迎えてからの優勝で、今年は自身初の2年連続優勝も果たした。充実した30代を迎えているのも、目澤コーチから学ぶゴルフ論が伸びしろを埋めているからだ。「バックスイングやダウンスイングで右ヒジが体の正面から外れやすいんです。右ヒジは常に体の正面にある意識でスイングしている」と悪癖を修正し、シンプルな動きで精度の高いフェードボールを打てる土台のスイングが連覇への支えとなる。
■舞台は東コースに移す「戸塚らしさはある。頭を使わないと」 磨いてきた技術を発揮できたのは、大会の手厚い選手サポートのおかげでもある。「氷やドリンクをたくさん用意してくれて、毎年暑さ対策が強化されています。ギャラリーに配っているウチワを選手にもとお願いしたら、すぐにスタートホールのテントに用意してくださいました。昨年はハーフターンでクールダウンの時間があって、茶店で休憩できたんですけど、室温が16度ぐらいなんですよ。私たち選手は嬉しかったけど、ずっと中にいるスタッフの方は長袖を着て寒そうでしたね(笑)」。主催の資生堂、特別協賛のJAL、戸塚CCが、さまざまな面で選手ファーストを徹底しているからこそ、毎年、素晴らしい闘いが繰り広げられている。 今年は思い入れのある西コースではなく、初めて東コースでの開催。永峰は今季の開幕後にプライベートで一度ラウンドしたという。「試合をお休みした週に偶然誘われて行ってきました。試合と同じティでプレーしたわけではないんですけど、戸塚らしさはあるなという印象です。行っちゃダメなところはあるし、逆に思い切っていった方がいいところもあって、頭を使わなきゃいけないコースですね」。ディフェンディングチャンピオンとして、同じコースに戻れない寂しさは感じつつも「楽しみの方が大きい」と前向きだ。 「私がプレーしたティだと、1Wがいらないホールもいくつかある感じでした。距離はないので、短い番手でアンジュレーションがあるグリーンをいかに攻められるかですね。最近の若い選手はその辺りも上手いので、バーディ合戦になるのかな? トーナメント仕様のグリーンになると、また変わるかもしれませんけど」。グリーンをしっかりキャッチするフェードボールは今年も武器になりそうだ。 オフには今年の大会のパンフレットに掲載されるインタビューや写真撮影のために資生堂本社に足を運んだ。「ディフェンディングチャンピオンをすごく特別に思ってくれているんだと感じています。撮影の前には資生堂の方にヘアメークもしていただきました。前夜祭でもプロアマに出る選手全員にヘアメークをしてくださるので、美容好きの選手はここぞとばかりにプロにいろんな質問をしていますよ」。コースを離れても特別な大会であることが伝わってくる。 永峰の今季の目標はこれまで達成していないシーズン複数回優勝。シーズン序盤で1勝目を挙げたことで可能性は大きく広がっている。「連覇と同時に複数回優勝ができたら最高ですね。まだ資生堂までに試合があるんで、先に複数回優勝を達成してから、連覇に挑戦でもいいんですけど(笑)」。今年も資生堂・JALレディスは熱戦必至。大会初の連覇となるのか、永峰のプレーに注目だ。(文・田中宏治)