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「ずっと責任を感じていました」 黄アルムの一言に救われた奥山純菜が自己最高6位発進

2026/07/09 19:28

ツアー未勝利の奥山純菜が自己最高となる6位発進を決めた(撮影:福田文平)

<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 初日◇9日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6700ヤード・パー72>4度目の挑戦で2022年のプロテストに合格した奥山純菜が5バーディ・1ボギーの「68」で回り、自己最高の6位でスタートを切った。 【写真】えっ…こんな所から打つの? 残り120ヤードの2打目をピンそば1.5メートルにつけた10番パー4から3連続バーディを奪取。「パットが入ってくれて、アプローチも寄ってくれました。今年初めて、初日に60台が出たのでうれしいです」。毎年、最難関ホールとなる18番パー4はティショットを右バンカーに入れたが、5番ウッドを握った2打目をグリーン手前の花道に運び、3打目を1メートルにつけてパーセーブ。「2打目はうまく打てた。よかったです」とニンマリだ。昨年は思わぬ形で注目を集めることになった。11月に行われた下部のステップ・アップ・ツアー最終戦「京都レディース」は、プレーオフ2ホール目で黄アルム(韓国)が藤井美羽を退けて優勝が決まったと思われたが、直後にアルムのクラブ超過が判明。プレーオフ1ホール目に2罰打が科せられて、藤井の優勝となった。アルムが「自分のものではないクラブがキャディバッグに入っている」と気づき、競技委員を呼んで協議した結果の裁定だったが、実はそのクラブは奥山のものだった。最終日は奥山、アルム、藤井の最終組。3人が共有する乗用カートから4位に終わった奥山のバッグを下ろす際に、クラブがアルムのバッグに紛れ込んでいたことが原因だった。帯同キャディが認められておらず、1人のキャディが3人ないし4人の選手を担当するステップならではの悲劇。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が公式ホームページに掲載した「プレーオフにおける黄アルム選手の裁定について」と題した詳細報告では、「別の選手のクラブ」と表記されているが、奥山は「私のクラブです。しっかりクラブチェックをしないといけなかった。ずっと責任を感じていました」と話した。キャディがワンオペで、各選手が使用したクラブをそれぞれのキャディバッグに戻すのだから、ミスが起きるのも決して珍しいことではない。だが、優勝者が変わるという極めてレアなケース。年が明けても奥山の心は針が刺さったようにチクリと痛んでいた。だが、2月に出場した「インドネシア女子オープン」でアルムと会ったときに、優しい言葉をかけてもらった。「すごくうれしかった。アルムさんは心が広い人。私もそういう人になりたい」。心は随分楽になった。黄は6月の「ヨネックスレディス」で主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を突破し、今季初めて日本でプレー。2年ぶりのレギュラーツアー出場を奥山は心の底から喜んだ。初めてツアーにフル参戦するプロ4年目のシーズン。2週前の「EARTH MONDAMIN CUP」の2日目に「71」をマークし、予選を通過してから調子の波は上昇カーブを描きはじめた。「後ろに乗っていた体重を、つま先に意識したらよくなってきました。ドライバーショットもしっかりつかまるようになった。キャディさんに指摘されて気がついたんです」。決勝ラウンドは「69」「68」で回り、キャリアハイとなる14位フィニッシュ。先週の「資生堂・JALレディスオープン」は最終日に自己ベストの「67」をマークし、今週は今季初の60台スタート。勢いは加速してきた。かかと重心から、本来のつま先重心に戻しての大変身。応援してくれるアルムのためにも、まだまだ上を目指していく。(文・臼杵孝志)