片岡尚之が海外メジャーで自身初の予選通過を果たした(写真は初日)(撮影:GettyImages)
<全英オープン 2日目◇17日◇ロイヤル・バークデールゴルフクラブ(イングランド)◇7223ヤード・パー70>まさに“魂のガッツポーズ”と言うにふさわしい光景だった。追い込まれて迎えた上がり3ホール。そこで何度も力強く拳を握った。
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「カットラインが多分1オーバーになるなと思った。スコアを伸ばす気持ちでやろうと思ったら、最後の3ホールを取るしかなくなった」大会を中継するU-NEXTのインタビューを受ける時、片岡尚之の言葉は、興奮を抑えるのに必死だった。それは、ただのカムバック劇ではなかったからだ。3オーバー・106位からの浮上を目指した2日目だったが、序盤、大きくつまづいた。2番でバーディを奪った直後の3番で、ティショットが左へ消えた。さらに打ち直し後、グリーン横に運ぶと今度はアプローチでミス。パー4で8打を要する、痛恨のクワドラプルボギーを喫した。「自分で厳しいところに追い込んでしまって、ちょっと心が折れそうだった」。この時点で、トータルスコアは6オーバー。それでも「なんとか5バーディ以上取るという強い気持ちでやった」と、自らを奮い立たせた。すると、まずは13番までで3バーディ(1ボギー)。16番を迎えたときにはトータル4オーバーまでは戻していた。そして、ここからが“神がかって”いた。まずは4.5メートルを沈めると、グッと拳を握る。続く17番パー5ではティショットを右ラフに打ち込みながら、そこから2オンさせ、2パットで連続バーディ。このときも自然とガッツポーズが飛び出した。さらに18番パー4は2打目を3メートルのチャンスにつける。これを決めると、勢いよく右拳を2度振り下ろす。そして、この一打で“+1”まで戻した。昨年の「日本オープン」を制したことで、4月の「マスターズ」、そして全英の道を切り開いた。しかし、オーガスタでは初日に「84」を叩くなど、失意のまま帰国した。「マスターズでは悔しい思いをしたので、今回こそは4日間戦うという強い気持ちでやってきた。最初にトラブルがあったんですけど、そこから立て直すことができてよかった」初めてのメジャーの後は飛距離アップに励み、短期間で15ヤードと驚異的に伸ばすことに成功。海外で戦うのに必要なものを模索してきた。「2日間振り返ってみると、初日は1番のトリとか、きょうは3番の+4とか大叩きしてる部分がある。明日はそれをなくして、しっかりアンダーで回って、上位に行けるように頑張ります」ホールアウト時点では、まだ週末行きが確定していたわけではなかった。それでも第2ラウンドが終わり、67位タイが確定。予選通過の70位以内をクリアし、この日のドラマは本当の完結を迎えた。あとはひたすら上を見るだけ。そのために何度でも拳を振り下ろす。