朝はカーテンを開けて日差しを浴び、水を飲む。この流れをルーティン化するといい
大好きだったはずのゴルフに興味が湧かない……もしかしたらそれは、更年期障害かもしれない。「男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)」とは、加齢やストレスなどによって男性ホルモン(テストステロン)が減少することで、中高年男性の心身にさまざまな不調が起きる症状のこと。女性のように急激に変化せず、時間をかけて少しずつ低下するため本人も気づきにくく、近年では自覚のない不調として“隠れ更年期”とも呼ばれている。
【写真】飛ばない、疲れる、集中できない……「隠れ更年期」は“呼吸・ストレッチ・歩き方”で撃退
■骨盤を立てた姿勢で腕を振って歩くのが効果的!
重い更年期障害の症状を乗り越えた経験を持つ田中和寿トレーナーは、当時、漢方や軽い運動をまず始めたという。「更年期障害の診断を受けて、西洋医学のホルモン補充療法、 気血(きけつ・気はエネルギー、血は全身に栄養を運ぶという漢方の考え方)を整えて体全体のバランスをとる漢方薬、ストレス解消と血流を促進する運動を始めました。私は朝、仕事の前にジムで体を動かしましたが、運動をし過ぎるとストレスホルモンが出て逆効果にもなります。一般の方にオススメは、呼吸や姿勢のチェックとウォーキングです」田中トレーナーも歩くことを日課にして元気を取り戻した。「歩くのはいつでもいいし、5分でも10分でもいい。つらくなったらタクシーで帰ってもいいんです。時間も距離も決めずに歩く。それだけで自然を感じて楽しいし、パートナーと話しながら歩けば息が上がっていい運動になる。実は、49歳の今も少し症状はありますが、当時とは知識もマインドも違う。前兆を感じたら早めに呼吸を整え、歩き、悪化を防ぐことができています。もちろん大好きなサウナも楽しめています」更年期を乗り越えるには、お金も時間もかからないウォーキングが一石二鳥、いや三鳥といえそうだ。
■日常生活で気を付けたいこと
質の良い眠りをとる準備寝る3時間前に夕食、1時間前に入浴をそれぞれ済ませよう。水分を摂る、スマホやPC画面を見るのも1時間前まで。電子機器を枕元から離して寝るのは安眠のために必須だ。朝の動作を習慣化する朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びよう。爽快感を得られるだけでなく、夜の寝つきが良くなる。ベッドメイク、水を飲んで胃腸を働かせるまでをルーティンにしたい。
■男性更年期障害ってナニ?
男性ホルモンの低下が原因一般社団法人日本内分泌学会によると、中高年男性に起きるさまざまな不調を男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)という。原因は、加齢やストレスなどによる男性ホルモンの減少だ。日常での生活習慣の改善が重要一般的に、治療にはホルモン補充療法や漢方療法などが用いられる。また、男性ホルモンの減少はストレスや睡眠不足の影響を受けるため、生活習慣の改善が回復につながる。運動が回復への好循環を生む男性更年期障害の克服に不可欠な3大要素は運動、睡眠、食事だといわれる。どれも大事だが、運動によって、より良い睡眠や食事をおいしく摂る好循環が生まれる。身体症状ほてり、多汗、肥満、頻尿、動悸、息切れ、吐き気、疲労感、めまい、頭痛、肩こり、腰痛、筋力低下、関節や筋肉の痛み・こわばり、しびれ。精神症状元気がない、楽しくない、やる気がでない、眠れない、くよくよする、イライラ、怒りっぽい、不安感、うつ症状、記憶力・集中力の低下。性機能症状性欲減退、勃起力減退、セックス頻度の減少。
【アドバイザー】田中和寿たなか・かずとし/1976年生まれ。1989年に横浜マリノスに入団し、トレーナーとして約20年従事したのち独立。さまざまな競技選手のケアや女子プロゴルファーの帯同トレーナーを務めるTPI認定インストラクター。現在はゴルフピラティスを監修する傍ら、視覚と身体・姿勢制御の関係を研究。タイガージム横浜代表。