桑木志帆が3打差2位で最終日へ(撮影:ALBA)
<AIG女子オープン 3日目◇1日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(イングランド)◇6601ヤード・パー71>まだ3日目とはいえ、メジャーの最終組でプレーしながら桑木志帆の緊張感は、これまでと変わらない。「日本ツアーのほうがギャラリーが多いので、そこは気にならないですね」。2サムで回った相手は、現在メジャー2連勝中のユ・ヘラン(韓国)だが、それもなんてことない。異国の大舞台でも自分を貫いている。
【写真】桑木志帆のフェードが曲がらない理由
現地時間午後2時40分に、風が強く吹くなかでスタートした。最初にスコアが動いたのが1メートルのパットを外した4番のボギー。続く5番パー3もティショットがグリーンの傾斜を下ってブッシュに止まり連続でボギーを叩いた。ただ、このときも「ショットがよかったので焦りはなかったです」と涼しい表情だ。実際、7番パー5で左バンカーからの3打目を1.5メートルまで寄せて1つ取り戻すと、9番でも左3メートルのバーディパットを決めて、すぐに帳消しにした。同組のヘランが苦しむなかで踏みとどまっていた。ただ、ひとつ不安材料があった。「序盤はパットのタッチに苦戦して、最後までそのリズムがつかめないまま終わってしまった」。それが後半に影響した。グリーンサイドのポットバンカーから2.5メートルに寄せた17番では、パーパットがカップを舐めて外れる。さらにフェアウェイからの2打目を、こちらも手前2.5メートルにつけた18番も、やはりカップに触れながらも、通り過ぎていった。「風が強くて、自分がやりたいようにアドレスをとることができなかった」。強風のなかで体が固まり、スイングに力みが入り、ときにパンチが入ることも。前日に続き34パットだったグリーン上で違和感を覚え、スコアは2つ落とすことになったが、それでもトータル4アンダーで2位は維持した。『メジャーの最終組の雰囲気を楽しめたか?』と聞かれると、「楽しめてはいるんですけど、最後のほうは考えすぎちゃって楽しめなかったかもしれない。パッティングが一番、頭をクリアにしないといけないのに」と言って苦笑い。優勝争いを目の前にしても、「普段と変わらないですね」と頼もしい答えが返ってくる。首位のヤーリミ・ノー(米国)とは3打差。同じ順位にもヘランをはじめ、世界ランク2位のジーノ・ティティクル(タイ)ら強豪たちが上位にひしめく。ただ、天候ひとつ、バンカーの対応ひとつで大きく展開が変わるリンクスでは、何が起こるか分からない。桑木も「みんなにチャンスがあると思う」と話す。逆転で勝利すれば、昨年の山下美夢有に続き2年連続の日本人による大会制覇となる。また同じ岡山県出身で、2019年大会覇者の渋野日向子にも肩を並べることになる。日本女子7人目となるメジャー制覇も視界に入るが、「目の前の一打に集中するだけですね」と、浮ついた気持ちも感じさせない。最終日は最終組から3組前の現地時間午後2時15分(日本時間午後10時15分)に、きょうと同じヘランとともに1番からプレーを開始する。年末の予選会を受けて、来年からの参戦を目指す米ツアーも、ここで勝てばすぐにメンバー入りを果たせるが、そんな邪念も払い、集中するだけ。自然体のまま、その実力を発揮していく。(文・間宮輝憲)