今平周吾がタイトリスト『GT2』にスイッチしていた(撮影:田中宏幸)
日本ツアー通算10勝の実力者・今平周吾。今平といえば「クラブを替えない選手」として知られているが、今年6月にヤマハがゴルフ事業から撤退した。セッティングはどのように変わったのか? クラブフィッターの吉川仁氏に解説してもらった。
【写真】今平が長年使い続ける5WやUT、その打痕がすご過ぎる!
◇ ◇ ◇「今平選手は10年以上もヤマハの『RMX116』ドライバーを使っていましたが、今年はついにタイトリストの『GT2』にしました。ただし、ドライバー以外は昨年と変わっていません。特にユーティリティ、フェアウェイウッドは長く使い続けています」ユーティリティは2011年発売のタイトリスト『910H』を15年以上使い続けている。その理由はどこにあるのか?「この10年、15年でどのメーカーのユーティリティも大幅に飛距離性能が伸びています。同じロフトでも10ヤードから15ヤードは飛ぶようになった。飛距離性能が高いUTはアマチュアには恩恵が大きいです。しかし、プロゴルファーは狙った距離を打ちたいので、飛び過ぎるUTは求めていません。今平選手にとっては15年前の『910H』の方がスピンがしっかり入り、タテ距離が合わせやすい安心感があるのでしょう」15年以上使っている『910H』はソール部分が擦り減っていた。「使い込こまれたソールの抜け感も含めて、今平選手にとっては手に馴染んでいて替えることができないのでしょう」5Wも2019年モデルの『M5』を使っている。「テーラーメイドの『M5』はPGAツアーでもトッププレーヤーがたくさん使用していた名器です。ボディはフルチタンで、フェアウェイウッド初のツイストフェースを搭載したという画期的なモデルでした」クラブだけではなく、今平はシャフトも替えないタイプ。ウッド系はジュニア時代からグラファイトデザインのモデルを使い続けている。「グラファイトデザインのシャフトは基本的にしっかりしていて安定感があります。だから男子ツアープロから好まれる。ドライバーの『PT』、5番ウッドの『TP』、ユーティリティの『DI』はいずれも余計な動きをしない中弾道系のシャフトです。そこが気に入っているのでしょう」ウッド系はすべて海外メーカーのモデルだが、アイアンはヤマハを使い続けている。4番、5番アイアンが『RMX VD/M』、6番アイアンからPWが『RMX VD/R』。「理想的なコンボセットですね。『VD/M』は寛容性が高い中空アイアンで飛距離性能が高く安定感に優れています。『VD/R』はヤマハらしいマッスルバック系の鍛造アイアン。打感、スピン性能が素晴らしい。『VD/M』と『VD/R』はサイズがひと回り違いますが、顔の系統が同じなのでコンボセットにしたときのつながりが良いです」今平のセッティングには最新モデルがほとんどない。気に入ったクラブやシャフトを長く使い続けることが、通算10勝、初シードから11年連続シード選手という安定した成績につながっている。▼ 今平周吾のセッティング 1W:タイトリストGT2(10度/ツアーAD PT-6X)3W:コブラ LTDx(15度/ツアーAD PT-7X)5W:テーラーメイド M5(19度/ツアーAD TP-8X)3U:タイトリスト 910H(21度/ツアーAD DI-HYBRID 95X)4・5I:ヤマハ RMX VD/M(N.S.PROモーダス3 プロトタイプ S)6I~PW:ヤマハ RMX VD/R( N.S.PROモーダス3 プロトタイプ S)52度:タイトリスト ボーケイ SM11(DG EX TOUR ISSUE S200)60度:タイトリスト ボーケイ WW(DG EX TOUR ISSUE S200)PT:オデッセイ ストロークラボ TENBALL:タイトリスト プロ V1x■解説::吉川 仁よしかわ・じん/「4plus Fitting Labo & Golf Salon」主宰。スイングとギアの両面に精通し、「ギアーズ」や「トラックマン」を駆使して、悩めるゴルファーのギア選びをサポートする。