ニトリレディスは道東・釧路で行われた(撮影:鈴木祥)
国内女子ツアー「ニトリレディス」での“風物詩”が、今年は見られなかった。大会終了後、北海道から急いで移動する選手たちの姿はない。大会最終日の翌日、月曜日から行われていた「日本女子オープン」の最終予選が、今年は火曜日からの開催に変更されたためだ。
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これまでは、かなり過酷なスケジュールだった。日本女子オープンは2016年から最終予選を導入し、23年からは関東・関西の2地区に分けて実施。月曜日早朝から2日間の競技が行われるため、北海道開催のニトリレディスに出場した選手は、ホールアウトしてすぐ移動しなければ間に合わなかった。ニトリレディスが函館開催だった昨年は、予約していた函館空港発の便に間に合わず、新千歳空港発の便に変更し、車を3時間以上走らせて移動した選手もいた。予定通りに移動できたとしても、宿舎につくのは夜遅くなり、翌朝早くからのラウンドの身体的な負担は決して小さくなかった。日本女子オープンを主催する日本ゴルフ協会(JGA)と、ニトリレディスを公認する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、そもそも全くの別団体。これまで日程被りが発生するなど、決して良好な関係とはいえない部分もあるが、両者の間で話し合いがもたれ、今回の日程変更が実現したという。ニトリレディス出場者のうち、最終予選に出場したのは33人。今年は中1日が設けられたことで、スケジュールにも体力的にも、余裕をもって予選会に挑めるようになった。今年のニトリレディスの開催地は釧路。釧路空港からは関西方面への直行便はなく、羽田空港への便も大手航空会社2社を合わせて1日6便。試合直後の帰京するとなれば、選択肢は夜の便に限られる。航空券の確保も簡単ではなかったはずだ。選手や関係者からは「ありがたいですね」と喜ぶ声が聞かれ、「やっと…」とこれまでの負担を思い出し、息をつく選手もいた。
今回の日程変更は、選手の負担軽減という意味で間違いなく前進だ。ただ、ここで終わりではない。次は、最終予選が終わった後のスケジュールが課題となる。今週は「ゴルフ5レディス」が開催される。3日間競技で、木曜日はプロアマが行われる。予選会に出場した選手の中で、プロアマに出ない選手はコース確認をすることができず、ぶっつけ本番で臨むことになる。ただ、これは仕方のないこと。中1日の休養がある、と捉えることもできる。一方で、プロアマに出場する選手は、最終予選2日間、プロアマ、本戦3日間と、6ラウンド連続を強いられる。日本女子オープンの出場権を得ることは簡単ではない。昨年のメルセデス・ランキングでも上位30位まで。シード選手だからといって全員が出場できるわけではなく、最終予選を通過しなければ本戦の舞台に立つことはできない。先ほども話したように、JGAとJLPGAは別団体。プロアマは大会を主催する企業への感謝を伝える大切な場でもあるため、選手のプロアマ出場を免除することは難しいかもしれない。それでも、9ホールで選手を入れ替えるなど、少しでも負担を減らす方法は考えられないだろうか。今回の変更は、選手にとって大きな前進となった。だからこそ、この動きを一度きりにせずに、さらなる環境改善につながってほしい。(文・笠井あかり)